夢のある話(坂口孝則)
先日、夢のある話を聞きましたので、シェアしておきます。登場人物は6歳のアメリカ人男子です。
彼は、幼いながらに有名になりたいと思いました。そこで、彼は、「平和シール」なる商品を作りました。世間のひとに、平和の大切さを訴えるシールでした。彼は6歳にもかかわらず、アメリカの有名マーケッターに相談しに行きました。「この商品を売るためにはどうすればいいの?」。マーケッターは笑いながら答えました。「買ってくれそうなひとで、もっとも影響力をもっているひとのところに行けばいいんだよ」。6歳の彼は、なるほど、と思いました。そのひとがまず買ってくれたら、他の人にも売りやすいと思ったからです。
彼は、あるひとの家に向かって行きました。それは、アメリカ元大統領、レーガンのもとでした(!)。なんのアポもないまま守衛に止められた彼は、守衛に「平和シール」を話しました。守衛は、6歳ながら平和を祈る男の子に感涙し、大統領を呼びに行きました。レーガン元大統領が直々に会いに来てくれ、そのシールを買ってくれました。
この噂を聞きつけたテレビ局は大々的に彼の「平和シール」を宣伝しました。相談を受けたマーケッターが驚くほど、そのシールは売れました。
彼は次に、なんと当時ペレストロイカを主導したゴルバチョフに、「このシールを買ってください」と手紙を書きました。ゴルバチョフから直々に返事が届き(おそらく、秘書からのものだったにせよ)、そこには「買ってあげます。それにしても6歳なのに、このようにビジネスを成功させるなんてすごいね。君が大人になったら、雇ってあげたいよ」と書かれており、彼はすぐさま「違うよ。ぼくが、ゴルビーを雇ってあげるよ」と返信しました(!)。
さらに有名になった彼は、ふたたびテレビに出演しました。アメリカのトークショーで、インタビュアーから意地悪な質問を受けました。「こんなシールを販売するだけで、ほんとうに平和がくるって思っているの?」。彼は笑いながら答えました。「もちろん。この前、ベルリンの壁が崩れたのは、このシールのおかげなんですよ。知らなかったんですか?」。会場は爆笑に包まれました。
……。
なんという行動力か、と驚愕します。大人は、小手先の知識だけで動こうとしません。ただ、この6歳の彼から学ぶべきことはたくさんあるのではないでしょうか。そして、アイディアは無限大ということです。あらゆるところにチャンスが落ちています。それを拾えないのは私たちの責任です。また、チャンスを拾う「チャンス」も、また私たちにかかっています。
夢のある話を、次に作るのは私たち自身かもしれません。
<了>