中堅社員が走りながらやるべき10のポイント(牧野直哉)

今回は、前回に引き続き第三回です。

前々回(第一回)のテーマは「市場を意識して対処する」でした。そこで、3つの意識しなければならない市場を定義しました。

①サプライヤーとの間に存在する「市場」
②顧客との間に存在する「市場」
③自分の労働力としての価値を持っている「市場」

この3つのニーズを理解して、自分の行動や後輩社員・部下への指示を決めなければなりません。それでは、それぞれの市場では、誰がニーズを持つのかを考えてみます。

① サプライヤーとの間に存在する「市場」

この市場に存在するニーズは、バイヤーがサプライヤーに希望する、あるいは要求するものです。調達購買担当者として持つニーズです。バイヤー自身の欲求からのニーズではなく、バイヤー企業としてのニーズです。したがって、バイヤーは社内のニーズを理解して、サプライヤーに伝える役割を担っています。社内のニーズの一部として、将来的に必要となるサプライヤーを、調達購買部門のニーズとして確保しなければなりません。これは「ほんとうの調達・購買・資材理論」でもお伝えしているサプライヤーマネジメントの実践を通じて、ニーズの実現に積極的に関与しなければなりません。

② 顧客との間に存在する「市場」

この市場のニーズは、理解した上で、自分たちの業務やサプライヤーへのニーズへと展開しなければなりません。このニーズの問題点は、調達購買部門から社内の営業部門を経由しなければならない点です。営業部門とのコミュニケーションにより入手します。間接的な接点ですが、調達購買部門にも大きな影響を及ぼします。このニーズを実現させるために、社内やサプライヤー、そして自らの動き方を決定します。

③ 自分の労働力としての価値を持っている「市場」

この市場のニーズは、先の①、②とは少し異なります。皆さんも、ご自身の労働力を、市場の中の勤務先に提供して対価を得ているわけです。勤務先が持っているニーズに答えているわけですね。このニーズはとても重要なので、もう少し細かく見てゆきます。

読者の皆さんは、勤務先が、一緒に働く上司部下含めた同僚が、あなたにどんなニーズを持っているかご存知ですか。ニーズという言葉で無くとも、ああして欲しい、こうあって欲しいといったことは、一緒に働く人であれば必ず持っています。勤務先は学校ではないので、毎日会社に行っているだけでは、本来対価を得られません。このシリーズの冒頭に提示した4条件を持つのであれば、そのような自分へのニーズに敏感になってください。そして、そのニーズにはできるだけ答えてください。明確な言葉で語られたニーズには、必ず答えてください。

この周囲のニーズに答える行動は、答えたことでニーズを持っていた相手が満足するかどうかがポイントです。これは、他の2つのニーズでは直接感じ取ることができないポイントです。この文章を読んで頂きたい方を当初設定しました。いうなれば、中堅社員であり、中間管理職になり始めた皆さんを想定しています。そのような皆さんが組織で働く場合、周囲への配慮を行なって、より良い状態を保つ取り組みを行なわなければなりません。調達購買の実務での高度な業務への取り組みと同時に、組織を効率的に運営する術を身につける必要があるのです。したがって、自分が最大限のパフォーマンスを発揮すると同時に、同僚とも協力体制を構築して、グループやチームとして最大限の力を生み出すための取り組みも必要なのです。

3.継続して学習する

3つめのポイントは学習です。既に現在の勤務先では、仕事を進める上での不都合は感じられないかもしれません。しかし、皆さんが現在お持ちのスキルは、普遍的でしょうか。どこの企業においても通用しますか。実際に転職をした場合は、身をもって通用するしないを判断できます。しかし、スキルが通用するかどうかを判断する為、そのためだけに転職できません。したがって、通用するかどうかを確認手段は限定されます。しかし、確認する必要はありません。ポイントは、学習の「継続」なのです。

乱暴な言い方かもしれませんが、テーマはなんでも良いのです。グローバル調達時代に備えた語学でも、CPPやCPSMといった調達購買・サプライチェーン関連の資格取得に挑戦しても、繰り返しなんでも良いのです。「なんでもよい」とは、少し無責任でしょうか。しかし、理由があります。

ここで継続して学習しなくても、きっと誰からも何も言われないのです。学習しなくても、継続して今の勤務先で勤め上げられるかもしれない。だから、今この時におこなう学習とは、みずから思い立って、自分の意志によって継続するしかないのです。この点が、この年代の方の学習で、継続するためにもっとも困難な点です。

私は「なんでもいい」例の一つに、国内外の調達購買分野における資格取得を挙げました。また、中小企業診断士や社労士でも良いのです。世間的には、資格を取得しただけでは不十分であるといわれています。確かに、調達購買分野でキャリアを積む上で、CPPやCPSMをもっているから将来的にも安泰ではありません。しかし、継続して学習する目的では、一日数時間で1~2年で完了するようなカリキュラムが組まれています。なにもなく学習するよりも、そういったカリキュラムをツールとして活用し、学習を継続させるのは有効な手段であると考えているのです。

<つづく>

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