一読即決!(坂口孝則)

今週は良書のあたり週でしたので、三冊を紹介します。

△▲△▲西内啓『統計学が最強の学問である△▲△▲

t検定だとか回帰分析だとか、呼び名の由来がわかるわけでも規則性があるわけでもない個別の手法をいちいち覚え、結局のところどういうときに何を使えばよいのか、という点についてはわからずじまい>(西内啓『統計学が最強の学問である』)

ひさびさに出た統計関連の傑作本です。著者は1981年生まれ。東京大学医学部を卒業した(!)ビジネスマン。引用した言葉で代表されるとおり、統計学は難しすぎ、どうやって実務に応用して良いかわからずじまいでした。著者は統計の基本的な考えかたから、先端学問の叡智までを、めちゃくちゃわかりやすく、そしてスリリングに教えてくれます。とくに一般化線形モデルを説明した第5章を読めば、これまでの疑問が氷解するでしょう。ビジネスにはこれから統計的センスが必要です。その意味でも、まさにアッパレ!な一冊でした。

△▲△▲ビートたけし「間抜けの構造」△▲△▲

<「私の言いたいことは二つだけあるんですよ。一つめは~」とやるんだけど、その一つめはすごく短くするの。「一つめは、政府の見解には断固反対です」とか。そうやって「あ、こいつの話はすぐに終わるな」と周りを油断させておいてから、「二つめ」に、自分が本当に言いたいことを長めに主張する。討論を聞いていて、「まあまあこの人うまいな」と思わせるのは、代替そういうやり方の人だね>(ビートたけし「間抜けの構造」)

話題になっていたものの、読まずじまいの本でした。かつての傑作「仁義なき映画論」以来の傑作。ビートたけしさんは、ほんとうに語るのがうまい。引用したエピソードをはじめとして、タイトルにとらわれない妙技にあふれています。一つひとつの話がほんとうに面白く、参考になります。おそらく氏は語り下ろしのはずですが、この話をまとめたライターさんと編集者にも拍手を送りたい。間をうまくとることが、人間関係ならびに仕事にも活かせるのですね。もっと早く読みたかった傑作です。

△▲△▲串田嘉男「地震予報」△▲△▲

<「2008年7月24日の岩手県沿岸北部地震(M6.8)の際には、地震発生1週間前に推定領域の地方自治体に対し、地震予報報告書を送付した。そして地震は予報どおりに発生し、場所も規模も発生日も予報どおりであった。誤差なく、ほぼパーフェクトな予報であった。歴史上、このようなことがあったであろうか?」>(串田嘉男「地震予報」)

実は本書を紹介するのに逡巡しました。もっといえば、いまだに推薦すべき本なのかわかりません。さらにいえば、稀代の奇書かもしれませんし、トンデモ本かもしれません。マッドサイエンティストかもしれません。しかし、面白いのです。本書はFM電波の観測によって地震を的中させてきた(!)地震予報家です。私のレベルでは、なぜ地震が予報できるのか、そのメカニズムは理解できませんでしたし、その精度にもやや疑問があります。しかし、そのような欠点を補うくらいドキドキできる読み物です。これまでの地震学者と完全に一線を画す著者。多くの議論を呼ぶためにも、あえて紹介しておきます。もし地震予報ができるのであれば、私たち調達・購買・サプライチェーン関係者に大きな変化をもたらすかもしれません。

<了>

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