坂口孝則の「超」調達日記(坂口孝則)

■6月X日(月)■

・雑誌原稿を書く。この当時まで何を書くか、まったく思いつかなかった。メディア雑誌への投稿であるため視聴率と広告宣伝費の関係についての記事を思いつく。3時間ほどかかった。編集者に納得してもらって一安心。

・ところで、ネタが思いつかないときどうすれば良いのだろうか。さまざまな解決法が考案されてきたが、つまるところ「原稿用紙(いまではパソコン)」の前に座って考えぬくしかない。以前、サルにタイピングさせて、その無意味な単語のなかから、アイディアを拾い上げようと真面目に考案されたことがある。まったく無意味な文字の羅列であっても、なんらかの意味が生じることがあるからだ。この話については、たとえば野口悠紀雄さんが<インターネットは「情報ユートピア」を作るか?>に書いている。結局、でたらめなタイピングのなかから、アイディアが思いうかぶかというと……。それは上記の本に譲ろう。

・この日、正しい「呼吸法」によって、肩こりが完治し気分も向上した話を聞いた。なんでも、正しく呼吸できるようにレッスンに通っているという。「呼吸」というと、どこかニューエイジ的な響きがある。しかし、有効なのか。ぼくも「モチベーションで仕事はできない」で呼吸の大切さについて書いたけれど、今一度、呼吸を見なおしてみようと思った

■6月X日(火)■

・翌日の客先へ提出する資料をまとめる。いやがおうにもパワーポイントとエクセルについて上達してしまう。それにしても、枚数で40枚ほど……。疲れる。

・光文社から8月に出版する「野比家の決断」のゲラができあがったらしい。本書は、マンガ「ドラえもん」をベースにし、解説とともに、「家は買うべきか賃貸か」「生命保険に入るべきか入らざるべきか」「結婚すべきかしないべきか」「転職・独立すべきかしないべきか」について説明したもの。ご存知ないかたもいるかもしれないが、のび太はしずちゃんと結婚しなければ、ジャイ子と結婚し、起業していた。しかし、しずちゃんと結婚した将来では、サラリーマンになっている。

・それにしても、30歳をすぎて、ドラえもん全巻を買い集めることになろうとは……。人生で二度目の「ドラえもん」購入だった。下手すると、孫にも買ってやることになるわけで、キャラクタービジネスの凄さに驚愕せざるをえない。

・日曜日の情報番組「Mr.サンデー」から出演依頼。なんと、Facebookでプロデューサーさんから連絡があった。おそるべしソーシャルメディア。しかも、大学の先輩だった!

・解説の内容は、「一週間に起きた出来事をすべて」だそうで、金子哲雄さんと俺とで迷って俺になったらしい(主語が「私」と「俺」が混在していてすまない)。

■6月X日(水)■

・広島へ出張。それにしても、座っているだけなのに、移動は疲れる。高城剛さんは「出張が多い人はアスリートであるべきだ」といった。けだし名言である。体力をいかにつけるかは、ノマド時代に重要なキーとなるだろう。

・一つ連載原稿を書くのを忘れていた。正確には、まだ24時までは時間があったので、20時からの帰り道に書き上げ、24時に送付。編集者からは「面白いじゃん」と短めのメール。これまた一安心。それにしても、編集者という人種はいつ寝ているのだろうか。ちなみに、原稿は書くのに費やす時間が長いほど良いかというと、そうでもない(言い訳か?)。短くてもノリが良ければ面白いものとなる。

・大阪でのトークライブイベントが好調のようで、そろそろ満員になりそう。何を話すかはアジェンダしか決まっていない。とはいえやはり、「リアル」回帰なのか。何にせよ、ありがたいこと。みなさんもよろしくお願いします。

・最近は本の買い方を決めた。要するに「気になるテーマのものはすべて買う」だ。こうすれば、漏れがない。特定テーマについて書かれた本が20冊だとする。厳選して5冊だけ買うのと比べても、20冊すべてを買ったほうが安心できる。しかも、コストもせいぜい3万円くらいしか違わない。

■6月X日(木)■

・今日も新しい仕事の依頼がある。「一人の士業が独立して仕事を受注するまでのセミナー」の講師だそうだ。悩む。まだ答えは出ていないが、9月中までは仕事が入りすぎているためにお断りするしかない。

・仕事が少ないときには依頼がないのよね。これが困ったこと。原稿の依頼も分散していればいいけれどね。

・出版したいというサラリーマンの相談に乗る。出版したければ、出版企画に(1)時代性 (2)社会性 (3)そのテーマをそのひとしか書けない理由 (4)販売予想数 を盛り込んでいることが必須となる。逆にこの四つを盛り込んでいれば、誰だって出版企画を通すことができるだろう。かつて中谷彰宏さんは「出版企画を書いたのであれば、出版社の住所録を買って、500通ほど企画書を送れば必ず通る」と書いた。そのとおりだと思う。問題は、「本を出したい」といいながら、それほど出版社にアタックすることができるひとがいないこと。世の中は、門戸が開かれている。あとは、そのひとの行動力しだいだ。

・ところで、中谷彰宏さんといえば、週に一冊の本を書いている。ある時期まで、そのほとんどに目を通していた(2007年くらいまで)。おそらく最高傑作は「入社3年目までに勝負がつく77の法則」だろう。

■6月X日(木)■

・ずっとAKB48総選挙のニュース。いまでは「アキバよんじゅうはち」と読むひともいないし、キャバクラのようだと揶揄するひともいなくなった(多分)。秋元康さんが発見したのは、つまりこういうことだ。これからひとがお金を払うのは、曲ではなく、「物語」と「ふれあい」になのだ、と。AKBはメンバー一人ひとりの成長物語が強調され、つねに「いつでも会える」ことが強調されてきた。コミュニケーションにお金を払わせるアイドルグループは、たしかに革新的だった。

・ところで、AKB48のメンバーの年齢を見てみた。俺はヒマなのか。いや、ヒマではない。それはいい。年齢の話だ。

選抜メンバー:平均20.5歳、アンダーガールズ:平均19.875歳、ネクストガールズ:平均18.625歳、ヒューチャーガールズ:平均18.375歳だった。説明の必要性はわからないけれど、これらの意味は、AKB48総選挙において、選抜メンバー:1~16位、アンダーガールズ:17~32位、ネクストガールズ:33~48位、ヒューチャーガールズ:49~64位までだ。

・これを見ると、AKBって年功序列なんだなあ、と思う。AKB48は日本の縮図といったひとがいるけれど、その意味では、なるほどそのとおりだ。当然ではあるけれど、露出が多いほど、得票につながる。得票は、次の露出につながる。そうなると、逆転はこれからますます難しくなるだろう。そうか、格差の温存も日本社会の温存なのか。

・AKB48が膠着化するとすれば、上位メンバーの固定化だろう。そう思えば、なぜAKB48が執拗にメンバーのシャッフルをしようとしているかがよくわかるね。

・ちなみに私の推しメンは高城亜樹さんです。ちなみに指原莉乃さんは、いつもバカにされるけれど、24時間でブログを100回更新し、そのページビュー3500万ヒット(一日)はおそらく抜かれることはなかろう。

■6月X日(金)■

・このところ、お笑いライブにハマっている。では、芸人のステージを評価する定量的指標は何か。悩んだ末に、お客の「笑った数」ではないかと考えた。お客の笑った大きさによって、「小笑」「中笑」「大笑」でわける。なんだか「レッドカーペット」みたいだが、まあ、そうやる。それらの数をかぞえれば、どの芸人がもっともコストパフォーマンスが高いかがわかるのだ。

・ちなみに、意外なことに(笑)、コストパホーマンスの高い芸人は、千原ジュニアさんであり、テレビ芸人としては稀有な存在である。

・かつて、千原ジュニアさんの話を聞いて、それを俺が再現しようとしたら、まったく面白くなかった。話芸だけで笑わせることの凄さを知った。

■6月X日(日)■

・突然、自宅にハイヤーがやってきた。「Mr.サンデー」のお迎えに来ました、という。あの番組になると、わざわざお台場から迎えに来てくれるのか。

・このハイヤーコストはいくらくらいかかっているのだろう。これをすべてのゲストに施すのであれば、相当なコストになるだろう。

・フジテレビは、まったくのアウェイ。打ち合わせとかもろもろ、珍しく緊張する。滝川クリステルさんはキレイだった。竹田圭吾さんは優しかった。宮根誠司さんは紳士だった。

・「ああ、俺、なんでこんな仕事を引き受けたんだろう」って思う。それはテレビ番組に出演するときはいつも。ラジオ番組に出演するときは、そう思わない。テレビ番組のほうがプレッシャーだからかな。

・番組出演後、「お前が緊張するなんて珍しいなあ」という内容のメールがいくつも届いていた。余計なお世話だ。東京のテレビでは、ひとコメントが20秒以内だが、俺は25秒も話してしまったようだ。すみません。といいながら、また呼んでもらえることになった。喜ぶべきか。

あの、いろいろいいたいことはありますが、一言だけ。「台本にまったく書かれていないことについてコメントを求められたときに、テレビカメラの前で、20秒で自分なりのコメントを返す」ことに自信があるなら、やってみろよ(笑)、です。

・滝川クリステルさんに「○○というひとが彼氏かどうか」訊いてくれ、というメールがあったけれど、もちろん訊けず。滝川クリステルさんは、CMの途中もずっとメイクを直しつづけており、美への執念はさすがだった

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