坂口孝則の「超」調達日記(坂口孝則)

■6月X日(月)■

・某航空会社にて講演。45分にわたって、「バイヤーのための意識改革」を話してくれと。講演時間が短いほど楽かというと、そういうものではない。むしろ1時間未満の講演ほど難しいものはない。

・聴衆に満足いただけたか。それは評価を待つしかない。ちなみに、調達・購買担当者が付加価値を生む業務を「add-value Procurementism」という。訳はそのまま「付加価値調達」であろうか。私は、付加価値を上げる手段は三つしかないと思う。(1)調達品のコストを下げること(2)社内の固定費を有効活用すること、社内の人員を効率的に動かすこと(3)自社製品の価格を上げること。

・これまで多くの調達・購買部門は(1)しか行ってこなかった。それでは単なる「交渉役」と思われてもしかたがないだろう。

■6月X日(火)■

・六本木のスタジオを見学。というのも、今度DVDを作成することになった。これまで調達・購買関係で教材(DVD)を発売したひとはいない。まだ秘密のようだけれど、日本能率協会からの発売となる。しかも5巻も同時発売。

・2時間カメラに向かって話しつづけるというのはチャレンジだ。「テレビやラジオの仕事と比べると楽勝でしょう」といわれるけれど、相手がいるほうが100倍話しやすい。ただし、お仕事ですからね。頑張ります。

・メディアの仕事の関係でももいろクローバーZの本をまとめ読み。いや、恥ずかしい。30歳を過ぎて、電車のなかでももクロの本を読んでいると、まわりの女子高生から「気持ち悪いオタク(=キモオタ)」と思われるだろう。そういえば、先週は満員電車のなかでAKB48の本を読んでいた。俺はどこにいくのだろう。

■6月X日(水)■

・この日も広島。そろそろ昼食のバリエーションがなくなってきた。帰り際に「アミ小さな宇宙人」と「女は何を欲望するか?」を読む。両方とも面白い。前者は宇宙人と男の子のファンタジー。後者はフェミニズムをファンタジー(しかし、ひとびとを籠絡したファンタジー)と読み解くもの。まったく違う種類の本。

これ以降は興味あるひとのみ、お読みあれ。外部者が道徳や夢や倫理を教えてくれる、とした前者(「アミ小さな宇宙人」)は、宮田登先生や小松和彦先生が提唱したマレビト理論ともつながる。おそらく、世界の神話のほとんどが同様の形態を有している(遠いところからやってきた者が、ひとびとの忘れている人生の意義について教えるという形態)。その先見はジョセフ・キャンベルさんの「神話の力」に詳しい。

・それにしても、文学部出身のくせに神話の力」を知らないひとがいたなあ……。学生のころは何を学んだんだろう……。

・また後者(女は何を欲望するか?)の内田樹先生の書くものはほんとうに何でも面白い。なぜ、これほどまでに面白いことが書けるんだろう。ちなみに、ぼくが思うに内田樹先生の最高傑作は「ひとりでは生きられないのも芸のうち」だろう。男子も女子も必見

■6月X日(木)■

・三三という会社からミーティング依頼。俺がこの会社の「Eight」という名刺管理サービスについてメディアでホメたのでそのお礼。えらくカッコいいオフィスだった。そして、「新サービスを先行で使ってください」とのことだったので、もちろん承諾。

・帰りに市ヶ谷駅まわりの本屋探索。最近の新刊ってほんとくだらんものばかりだな。きっと、俺よりも若い書き手が現れたら、俺の本も同じように言われるかもしれないが。

・オフィスに戻って、「独立したい」という若手ビジネスマンの相談を受ける。相談するくらいだったら、何か行動しろ。それだけ。

・最も難しいのは「1円を自ら販売して稼ぐこと」にほかならない。ためしに何かを売った経験のないひとが、いきなり独立することはできない。少なくとも失敗するだろう。会社で仕事がふってくる環境と、自ら仕事を作り出す環境はまったく異なる。口先だけのビジネスマンは仕事を作り出すことはできない。そして、「1円を自ら販売して稼ぐこと」は、そもそも自分が何を販売できるかを見つめることからはじまる。

■6月X日(金)■

・ランチ会。売れていないコンサルタントの集まりに呼ばれる。残念ながら「これでは仕事は獲得できないだろう」というひとが多い。思うにコンサルタントとは、「卓越した本業での実績」「地頭の良さ」「深い知識」に支えられている。可能であれば、その三つに加えて「資料作成の巧みさ」があるだろう。その3+1のどれもが欠けている場合は、とても食っていけない。

・週末起業だとか、独立開業という言葉が独り歩きしてしまい、そんな当然の能力を欠いたひとたちがフリーエージェントになっている。お気の毒としかいいようがない。

・「元祖 世界一の購買部を作ってみろ!」を読んでくれたひとと出会う。この本は、電子出版であり、かつ私の初の共同出版本である。書籍化されたものとは全く異なるバージョンで、「感動した」といってくれた。

・もしかすると、文章の書き手が愉悦を感じるとしたら、このように「まだ見ぬ読者」と出会うことを思い浮かべることかもしれない。

・ところで、いまぼくは「決定版 調達・購買の教科書」という本を書いている。お楽しみに!

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