まだ見ぬ友人たちへ ~活躍する技術~(坂口孝則)

読者の皆様は地方在住の方がたくさんいらっしゃる。私も地方に住んでいたことがあり、都会との情報格差のようなものを感じていた。「自分は活躍したいのだが、地方に在住している限り、それは叶わないのではないか」。そう思ってしまうこともあった。

そんな私にとって「活躍する技術」を紡ぎ出すのは、当然の帰結だったのである。そこで、今回は「まだ見ぬ友人たちへ」というタイトルで簡単な「夢を叶える方法(笑)」について書いておきたい。

ジェームス・スキナーさんや本田健さんなど多くの成功者が、人生を拓くために必要なのは「アラジンのランプだ」といっている。それはご存知の通り、なんでも願いを叶えてくれるランプのことだ。有名な話だし、ディズニーなどのアニメもあるので、ほとんどの人がご存知だと思う。

願い事が叶う魔法のランプ。そんなものがあれば、「どんな願いをするだろう」と思いを巡らせたことがある人は多いに違いない。しかし、成功者が面白いのは、そのランプは物語のみにあるのではなく、実在しているといっていることだ。

実在する? それは物理的にそのような機能のものが存在するといっているわけではない。それが誰であっても、「すでに持っている」ということだ。そのほんとうの意味はどういうことだろう。それは、「ほとんどの人が、誰にも頼んでもいないのに、自分の願望をあきらめている」ということだ。

もし、あなたが「本を出してみたい!」と思ったとする。しかし、ほとんどの場合「でも自分には無理だ」とあきらめてしまう。誰にも頼んでもいないのに! だ。あるいは「まあ、定年後かな」とあきらめてしまう。これも、誰もそんなことをいっていないのに! である。その結論は、残念ながら自分で決めつけてしまうことがほとんどだ。繰り返し、誰に訊いてもいないのに、自分で可能性を狭めている。

ここで、私の話をしてしまうのをお許しいただきたい。私は「すぐにでも本を出したい」と思っていた。だから、その可能性がある、すなわちすこしでも出版につながりのある人に訊いてみた。ここのポイントは、単に訊いてみることだけしか考えないということだ。すると、さまざまなリアクションがあった。「無理です。ほとんどの人は自費出版じゃないと出せません」というもの、「あと10年待ったら?」というもの、「ありえないでしょ」というもの多岐にわたった。このリアクションも「頼んでみる」という行為がなければありえないことだ。

そのうち、といってもたった数人しか経ていないが、「話をきいてあげますよ」という人が出てきた。すると、翌日には「紹介してあげます」という人まで出てきた。とんとん拍子に某出版社の編集者とのアポイント日まで決まってしまい、翌月には「企画が通りました」という一通のメールが届いた。そして数ヵ月後には、ほんとうに本が出た。もちろん自費出版ではなかった。そして、その処女作が運よくその出版社の発行物のベスト10の売れ行きという成績まであげてしまう。

私はそのころ、「あと10年待ったら?」といった人、「ありえないでしょ」といった人に、わざと「そんなことありませんでしたよ」と報告してみた。すると、彼らは「あなたのような例外もいる」といって、自説を曲げようとしなかった。すなわち、「例外を除くほとんどの人は出版などできない」だそうだ。

しかし、私だけはわかっていた。単に彼らは、「アラジンのランプ」を知らなかっただけだ。正確にいえば「アラジンのランプ」を持っているという事実に無自覚だっただけだ。おそらく、そのことに気づかないでソンばかりしている人もいるだろう。ただ、彼らを救うのは私の役目ではない。私ができるのは、私の声に耳を傾けてくれる人に、そっと囁くくらいだ。

あるとき、私は会社の業務のなかでVBA(Visual Basic For Application)が必要だと気づいた。どうしよう? 私はさっそく訊いてみた。上司に「10万円の講座を受講したい」と申し出てみたのだ。もちろん、最初は「NG」だった。そんなの前例がないという。しかし、考えるに、このNOをもらったからといって、自分になんの損害があるだろう。ことあるごとに繰り返しお願いしてみると、そのうち許可が出た。社内プロジェクトをつくるときも、海外にサプライヤー探しの旅に出たときも、それは簡単だった。なぜなら、「頼んでみればいい」だけだからである。

仕事を愉しくする、という課題の最初に、「まずは訊いてみろ」「まずは頼んでみろ」という内容を書くかどうかためらった。というのも、それはあまりに幼稚で簡単すぎることだったからだ。しかし、と私は思うのだ。「仕事がつまらない」というとき、単に諦観をもって、自分で何かを潰しているだけではないだろうか、と。誰かに訊いても、お願いしてもいないのに、自分で道を閉ざし、矮小な箱のなかに自己を閉じ込めているだけではないだろうか。

さらに運がいいことに「訊くだけ」にはお金もいらない。しかも、いまではどんな有名人も、どんな会社も、メールアドレスを公開してくれている。以前なら遥か遠くにいた偉人たちも、いまではパソコンさえあれば、すぐにコンタクトができる。これほど「凄い」時代はない。その気になれば、いつだって誰かに何かを訊けるだろう。しかも、勝手な予想をしておくと、ほとんどの場合、あなたに返事がくるはずだ。その返事がYESだろうがNOだろうが、どちらでも次のステップが待っている。

バンザイを探すためには、自らが高い場所に上らねばならないことがある。その上る行為は難しいことではない。単に「まずは訊いてみろ」「まずは頼んでみろ」を実践するだけなのである。

まだ見ぬ友人たちへ。この世界で有名になったあなたと、そのうちお会いしたい。

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