CSR調達とは何か~CSR調達をグローバル視点で理解する

1.CSR調達を一言で表現してみる

日本における「CSR調達」について考えてみます。前にも触れたとおり、企業の社会的責任の範囲は、とても広い。この広さを網羅する言葉が日本語には存在します。「世間」です。「世間に顔向けできない」といった際に使用されます。世間とは、世の中、世の中の人々といった意味で使われますね。CSR調達とは「世間に正しい調達」と言えます。ポイントは「世間」の範囲です。

近年、この「世間」が広がっています。地理的な変化だけでなく、時間的、速度的な変化です。こういった流れを後押ししているのは、次の3点です。

(1)企業の海外進出

円高による国内人件費の高騰、じり貧する国内需要により、日本企業は海外進出を進めています。従来は、日本国内市場を相手にして、日本国内を拠点にしていた場合、世間は日本でした。しかし海外に市場や拠点を求めると、世間は広がります。進出先の国や、市場も日本語でいう「世間」です。

(2)IT技術の進化

海外の様子を伝える映像や画像も、今や日常的にリアルタイムでやり取りが可能です。フィルム式のカメラで撮影して、現像してといった時間を考えると、パソコンやスマートフォン上ではリアルタイムで展開可能です。IT技術の進化、一般化が情報拡散の速度を一気に高め、短時間で、全世界の情報共有が可能となりました。

(3)格差の顕在化と是正活動

企業の海外進出の大きな目的は、安価な労働力の獲得です。先進国企業の新興国への進出は、進出先の経済発展をうながす効果もあります。一方で、進出先での未熟な法整備によって、先進国では違法となるような労働環境・条件によって、安価は人件費が実現するとの側面もあります。そういった格差は従来ありました。近年では上記(2)で述べたIT技術の進化によって、そういった現実が白日の下にさらされています。

3つの理由によって、CSRの重要性が高まっているのです。

 

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