持続可能な調達とは?
最近では調達・購買の現場で「持続可能な調達」や「CSR調達」といった言葉をよく耳にします。ただ耳にするだけではなく、どのように持続可能な調達やCSR調達を現場の実務の中で実現すればよいのか、悩んでいるバイヤーが多いのが実態です。
近年SDGs(持続可能な開発目標)やESG投資といった潮流も、持続可能な調達やCSR調達には確かな追い風になっています。しかしそれを実現するはずの調達・購買部門は、ただでさえリソースが不足し満足な業務品質の確保ができない中で、果たしてどのように時間を創出し、持続可能な調達やCSR調達を実現すればよいのかについて迷っているのが、多くの企業の調達・購買部門の実態でしょう。
確かに、年を追うごとにニーズは高まっている印象を受けます。持続可能な調達やCSR調達について否定的な意見が述べられないためです。本来であれば実現したいけれども十分なリソースが確保できないといった現実に対して、しっかりとしたリソース確保が行われるべきです。しかし調達・購買部門に限らず、現代の企業はなかなか新たなニーズの対応が必要でも、応分の増員は残念ながら行なわれません。現有人員あるいはより人員を削減した中で、これまで以上のアウトプットを要求されるのが現場です。そういった非常に厳しい状況の中で、持続可能な調達やCSR調達はどのように実現すればよいのでしょうか。
私は欧米の企業と比べると、日本企業はそもそも持続可能な調達やCSR調達に近い調達活動が実践できていたと考えています。「世間体」といった言葉は、世間=世の中、社会に対する体面や体裁を意味します。「世間体が悪い」から、玄関の前をきれいにしようとか、自宅の周囲を掃除しようといった、特定の誰かに対してではなく世の中全般に対しての体面や体裁に配慮する姿勢は、持続可能な調達/CSR調達に相通じます。最近は「世間体」と言うと、あまり良い意味では使われません。しかし特定の誰かではなく、地球上のすべての人に対して配慮をするという意味では、世間体の概念を日本国内だけではなくグローバルに展開し、世間体を保つ調達を実践すればよいのです。
では、持続可能な調達やCSR調達は、一体どのようなことを行えばいいのか。次回に続きます。
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