CSRとは何か
CSR調達/持続可能な調達の前に、CSRとは何かについてです。
一般に「CSR(企業の社会的責任)」として取り上げられるテーマは、次の通りです。
1.社会問題:雇用、労使関係、機会均等、労働・安全・衛生、児童労働、強制労働問題
2.製品・サービス責任の問題:顧客の健康・安全、製品のサービス・ラベリング、プライバシーの尊重
3.企業の法律遵守性の問題:贈収賄、政治献金、不正競争、不正価格設定
4.近年注目される問題:正しい環境への配慮や社会法規の遵守
「CSR」の対象となる範囲は、とても広いと理解してください。広いだけでなく、CSRにはもう一つ重要な特徴があります。企業として実践するCSRとは、社会と市場の変化によって決定される点です。対象とする範囲が広い上に、経営環境、市場環境の変化によって、求められる社会的責任も変わってくる。この点がCSRがわかりにくい原因です。
上記の4つの問題、たとえば社会問題の中には、「児童労働」や「強制労働」といった、日本国内を見る限りは想像できないテーマです。しかし安い労働力を求めて海外展開し、法整備や管理の目が行き届かない進出国の取引先で「児童労働」や「強制労働」が問題になるケースが実際に発生しています。
日本の場合、CSRが企業の不祥事と重ねて報じられます。自動車メーカーのクレーム隠し、食品偽装の一連の問題が、企業の社会的責任をはたしていないと判断されるのです。しかし日本国内で問題となっている企業の不祥事は、クレーム隠しにしても、食品の産地や品種、賞味期限の偽装にしても、CSR以前、コンプライアンス(法令遵守)の問題です。
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