6-(1)-1 戦略をいかに立てるか<基礎知識>

まず企業全体としての全社戦略があり、その下に事業戦略があり、その下に調達戦略が構築されます。

調達戦略については様々な定義がなされています。ただし、あまり難解に言っても全く役に立ちません。ここでは、調達戦略とは「何をどこからどれだけの数量・金額を調達するかの見取り図」と定義します。

そのためには、まず①自社調達部門の立ち位置と実力を把握することです。そして、②目標を明確化することです。

① 当然ながら自社の製品ロードマップと購入予想量を知る必要があります。また、調達力を冷酷に評価し、サプライヤーを絞り込んでゆきます。街の中小企業が、例えばインテルやマイクロソフトに対して自己中心的なサプライヤー戦略を練っても意味がありません。

② その戦略で何をしたいかを部門で共有化します。その戦略を具現化することで「安定調達したい」のか「コスト低減を10%図りたい」のか「調達部門の仕事を減らしたい」のか。

この①②をはっきりさせないまま戦略を構築しようとする例が散見されます。

加えて重要なのは、どれだけ先を読めるか、です。A案が失敗したらB案。B案が失敗したらC案。というように予防策の多さが戦略の成否に関わってきます。

調達戦略の本質とは、こちらの思ったとおりにサプライヤーを誘導して自社の利益を最大化することにあるからです。

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