4-(7)-3 見積りの査定「コストテーブル至上主義を超えて」

何も見積り査定ぐらいで自殺の話をしないでもいいだろう、と思われた方がいるでしょう。しかし、大変多くのバイヤーがこのような評価制度に苦しめられているので、どうしても書いておきたいと思いました。

バイヤーが調達するものは、必ず理論的に説明のできる価格でなければならない、という考えを否定したいわけではありません。もちろん、できる限り理論的に説明できる価格で調達すべきです。しかし、世の中にはどうしても市況に影響されるものがあります。ガソリンの市況価格が140円/ℓのときに、「120円/ℓで買えない理由を述べよ」と言われても説明は不可能なのです。市況に強い影響を受けるものは、バイヤー個人の努力ではどうしようもないときがあるのです。

特に、成型品を長く担当していたバイヤーが昇進しマネージャーになったときは、どこか「コストテーブルを使用し、各要素を積上げて価格を決定することが絶対だ」という考えを強要しがちです。が、考えてみれば市況に影響されるものと、各要素を積上げるものとの間に貴賎はありません。

結局は、「この場合のときは、このようにして価格の妥当性を見ればよい」という尺度をどれだけバイヤーが持っているか、という点に尽きます。

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