4-3 企業調達・購買活動を新たなステージへ

●本文章のポイント

1.企業調達・購買は単なる「買い物」ではなく、戦略的にIT技術を活用して効率化されるべき重要な業務である。
2.営業パーソンとの関係再評価や新しいサプライヤーの開拓、共同購買など、柔軟で革新的なアプローチが必要とされている。
3.購買活動の質的変化を通じて、企業の競争力を高め、将来にわたって持続可能な成長を目指す。

調達・購買業務は、個人がお金を持ってお店に行って行う一般的な「買い物」と大きく異なります。調達・購買業務は、IT技術活用により効率化飛躍的に高める等、質的な進化を遂げています。企業間購買活動は、常に新たな方法を模索し、改善を続ける必要があります。

例えば、今日でも営業パーソンが調達・購買部門を訪問する光景は珍しくありません。これは継続的なビジネスを確保するための活動ですが、営業活動にかかる時間は、実はサプライヤーのコストの一部です。効率的なコミュニケーションを重視し、EDI(Electronic Data Interchange)のような電子的なデータ交換システムを導入することで、会う必要が薄いコミュニケーションを移動なしに行うことで費用対効果を高めることが可能です。この進歩は、面談の頻度や内容にも変化をもたらし、より価値ある関係構築につながります。

さらに、市場のニーズは常に変化しています。これに伴い、調達・購買部門では、現在のサプライヤーがこれらの変化に対応できるかを評価し、必要に応じて新しいサプライヤーの開拓に取り組む必要があります。近年の通信手段の発達により、世界中のサプライヤーと容易に連絡を取り、新たなパートナーシップを築くことが可能になりました。

集中購買や共同購買の取り組みも、単価削減と効率性の向上に大きく寄与します。これらの戦略は、特定のアイテムやサプライヤーに焦点を当て、社内外の複数の購入者が力を合わせることで、より良い条件での購入を実現します。このような取り組みにより、企業は直接購買品だけでなく、間接購買品のコスト削減にも成功しています。

企業が直面する挑戦に対応するためには、調達・購買部門が主導する革新的なアプローチが必要です。そのためには、業界の最新動向を常に把握し、変化する市場ニーズに柔軟に対応できる能力を持つことが重要です。さらに、サプライヤーとの長期的な関係を構築し、共に成長できるパートナーシップを築くことが求められます。

具体的な事例として、ある企業は、サプライヤーとの関係強化の一環として、共同で製品開発プロジェクトを立ち上げました。この取り組みにより、製品の品質向上はもちろん、コスト削減にも成功し、最終的には両社の競争力を高める結果となりました。また、別の企業では、集中購買と共同購買の戦略を組み合わせることで、業務効率の大幅な向上とコスト削減を実現しました。これらの例からもわかるように、調達・購買業務は企業の経済的な健全性と成長を支える根幹をなす活動です。

調達・購買業務に対する理解と関心を深めることで、皆さんも自社の調達・購買活動を見直し、新たな価値を創造する機会を見つけ出すことができるでしょう。今日からでも、調達・購買業務に対する新しい視点を持ち、積極的に業務改善に取り組んでみてください。そうすることで、自社だけでなく、サプライヤーとも共に成長し、より良い未来を築くことができるはずです。

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