[必要内容]天災時のサプライチェーン必須アイテム(坂口孝則)
東日本大震災のあと、携帯電話に笛をつけたひとを見ました。瓦礫の下に生き埋めにされるなど、万が一のとき、声を上げられないかもしれません。しかし、笛なら吹けます。ただ、「喉元すぎれば」なんとやらで、いまでは、もう有しているひとを知りません。と思いきや、熊本震災が私たちを襲いました。やはり過去の教訓は、平常時にも活かさねばならない、と私は思います。
私が関わっている雑誌で、緊急時のアイテムを特集する機会がありました。かなり秀逸なので、みなさんにも紹介したいと思います。ほんとうは通販サイトのURLを載せたいところです。しかし、企業によっては、通販サイトのURLがあると、このメール自体が届かない場合があります。なので、商品名と説明だけとします。気になったら、ぜひご確認ください。
1.防災スリッパ「ぬげにくい安全スリッパ」(旭電機化成)
震災のとき、自宅から逃げようにも逃げられないひとたちがいました。ガラスが割れて裸足では痛すぎたからです。ベッドの下にスリッパ、あるいはクツを入れておかねばなりません。このスリッパは、商品名の通り、ぬげにくく紐で足に固定できるすぐれものです。
2.防寒シート「ヒートシートサバイバルブランケット」(SOL)
オフィスに寝具が置かれているケースはほとんどありません。もちろんエアコンはあるでしょうが、帰宅困難時にはオフィスで暖を取る必要があります。そのとき、寒さは人の体力を奪います。この防寒シートは軽く、かつ安価(1000円以下)です。
3.笛「防災の達人ツインウェーブ」(コクヨ)
小さく吹くだけで、大きな音がでるすぐれものです。子どもにも持たせたい。ビジネスバッグや携帯電話、スマートフォンにつなげておきましょう。
4.書類落下防止テープ「落下抑制テープ書棚用」(3M)
キャビネットや書棚に貼っておくだけで、落下に耐えうるようになるものです。本の前に貼る透明なシールで、全国の図書館でも採用されています。書類や書籍が落下すると、思わぬケガにつながりますから、抑止が必要です。
5.避難援助アプリ「防災情報全国避難所ガイド」(1stメディア)
安否情報や避難所の場所、そしてルートに至るまで教えてくれます。iOSもアンドロイドもあります。被災においては、情報格差がときに問題となります。もちろんスマホの充電が切れることもあるでしょうが、情報収集に努めたいものです。スマホの自家発充電器も必須アイテムになりつつあります。
6.書籍「東京防災」(東京都)
東京都以外のかた、すみません。しかし、それにしてもよくできた本なのです。止血方法や負傷者の体位管理まで、丁寧すぎるつくりです。東京都以外のひとびとにも役立つ知識が満載です。
7.体臭クリーム「アンダーアームクリーム」(ラヴィリン)
入浴できない体から発する異臭を消すアイテムです。腕下に塗るだけで、1、2日間は、消臭できます。もちろん衛生状況を考えると入浴するに越したことはありません。しかし、緊急時には使えます。
8.軍手「軍手とタオル圧縮セット」(光)
オフィスで倒れた荷物を退かせるとき、また自宅で鋭利物を撤去する際、さまざまなところで「素手では難しい」状況が想像できます。その際に、軍手は役に立ちます。いつももっているとかさばりますが、これは名刺サイズにまで圧縮したもので、保管性にすぐれています。
9.「サランラップ」(旭化成)
熊本震災でふたたび注目をあびたのはサランラップでした。皿にかければ、汚さずに何回か使用できます。水をくるんで穴を開ければ、簡易的なシャワーになります。そしてなにより、体に巻きつければ、体を温めることもできる。たんに食事をくるむ以外の万能な商品として重宝されました。
その他、オフィスにいるとき、自宅にいるとき、逃げるための必須アイテムがあるかもしれません。もしみなさんのアイテムがあればお知らせください。こういう情報は共有すると価値があると思います。また、他社や他者を助けるためにも、まずは自分が無事でいなければなりません。その意味でも、サプライチェーン関係者の必須アイテムとしてご紹介しました。