この10冊が調達スキルを向上させる(坂口孝則)
一日、2冊以上の読書を心がけています。ビジネスパーソンとしては上のほうでも、読書家としては中の下くらいでしょう。まだまだです。ところで、意識的にさまざまな書籍を読むように意識しているのですが、これまでを振り返って、自分のスキル向上に役立った10冊をあげたいと思います。
選出した基準は次の通りです。まず、さきほど申し上げたとおり、その本のおかげで確実にスキルがあがったといえるもの。そして、できれば調達そのものの本ではないこと(私の考える、調達業務に役立つ内容を盛り込まれているものは当然ながら自分の本です)。さらには時流を述べたものではないこと。
1.「完全独習 統計学入門」小島寛之さん
統計を練習問題を解きながら習得したければこれですね。統計の基礎から応用までが身につきます。
2.「新・ほんとうにわかる経営分析」高田直芳さん
これでほんとうにわかったら、そんじょそこらのニュース解説者を超えます。サプライヤ分析にも役立ちます。
3.「中小企業のパーフェクト会計」岡本吏郎さん
会計にとどまらず、中小企業の経営成績を診る力のすべてが書かれています。
4.「道具としてのファイナンス」石野雄一さん
投資、というものが金融だけではなく、事業投資などすべてに通じると理解できる。この一冊が身にしみて理解できたら世界が変わります。
5.「工場マネジャー実務ハンドブック」日本能率協会コンサルティング
副題が長い。<IEによる工場管理の基礎知識から生産性向上プラン策定・改善実施・フォローアップまで>。でもその副題の通り。この一冊があれば、サプライヤ工場管理レベルがわかり、指摘などもできるようになる。
そして、やや文系的な知識体系のほうも紹介しましょう。
6.「『超』文章法」 野口悠紀雄さん
あまいに凄まじい野口さんの文章法。莫大な文章を書き続ける男性のノウハウが詰まっています。
7.「理科系の作文技術」木下是雄さん
そして、正しい日本語を書くためにはこの一冊でじゅうぶん。文章は曖昧で直観的なものでは決してなく、論理と理論で組み立てるべきだとわかります。新人教育にも最適。
8.「ゴミ投資家のための人生設計入門」海外投資を楽しむ会
ビジネスパーソンが「正しく」人生を設計するための「正しい」損得計算が詰まっています。ライフプランはこの一冊あれば問題ありません。かなり冷たく、現実的すぎる人生論です。
9.「倫理用語集」山川出版社
自分が思いついたことなんて、ずっと昔に誰かが考えて結論を出しているんだな、と理解できます。つまり真のクリエイティビティのためには、既存の知識体系を叩き込む必要があるのです。そのために必須です。
10.「戦略シナリオのノウハウ・ドゥハウ」野口吉昭さん
もはや古典。戦略とは何か? そして、仕事の優先事項とは何か? そして、そもそも仕事とは。そういうことを根源から考えさせる。初見時の衝撃は忘れられません。なんて私は戦略のかけらもない仕事をしていたのかーと。
また機会にふれてお伝えします。