美人すぎる受付嬢のいる企業はなぜ問題か(坂口孝則)

よく「工場を見る際は、トイレを見ろ。トイレが汚い工場はダメだ」とかいいますよね。サプライヤ(企業)を毎日のように評価する仕事にファンドマネージャーがあります。そのなかでも、私は有名なファンドマネージャーの藤野英人さんを信頼しています。

通常、ファンドマネージャーとか会計士、コンサルタントは、企業を評価する際、損益計算書がどうだとか、貸借対照表がどうだとか、キャッシュフローがどうだとか、そういった分析ばかりです。しかし、藤野さんは、もっと根本的なことを指摘しています。社長は自社商品に誇りをもっているか、とか。社会を変えたい想いをもっているか、とか。

だから私は藤野さんの感覚を信じているのですが、そのなかでも、卓見がいくつかあります。

・極端に美人の受付嬢がいる会社は問題がある
・自伝を渡す社長は終わっている
・成功している社長は例外なく細かい

美人の受付嬢は特定の資質だけが評価されており、会社が私物化されている可能性があるからです。また、自伝とは過去の出来事ですから、それを渡すとは「自分は成長しない」といっているようなものです。また、優秀な人ほど、自社の製品がどれだけ売れているか、そしてコストがどれだけかかっているか把握しているのです。これはコンサルタントにもあてはまりますね。優秀なコンサルタントは例外なく細かいひとです。

そのなかで、藤野さんは、やはり「トイレの汚い会社への投資は必ず損をする」といい、また「会議室の時計が5分ずれていたら危ない」といっています。

面白いですね。なぜ5分かというと、会議をやっていて5分のずれは相当なものですが、気づかないというのは、時間感覚が麻痺しているからです。つまり5分なんてどうでもいいと思っている。だから、その会社はダメなんです。さらに気づいても時計の時刻を修正しないということは、社員が時計なんて他人事だと思っているからです。

そういえば、私が泊まるホテルも7分くらい時計がずれているんですけれど、清掃のひとは時計を合わせることが自分の仕事と思っていないんでしょうね。それはともかく、みなさんも参考としていかがでしょうか。「極端に美人の受付嬢がいる会社は問題がある」「自伝を渡す社長は終わっている」「成功している社長は例外なく細かい」「トイレの汚い会社への投資は必ず損をする」といい、また「会議室の時計が5分ずれていたら危ない」……。

みなさんの基準があったら教えてください。

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