【必読】外国人が教えてくれた調達業務の変え方(坂口孝則)

以前、外国人の方から面白いことを聞きました。「日本人は、面倒なことが嫌いです」と。通常の理解では逆ではないでしょうか。だって、カイゼンとか、QCサークルとか、面倒なことに取り組んできた国民性だからです。しかし、それでも「日本人は、面倒なことが嫌いです」と譲りません。なぜでしょうか。

彼いわく「日本人は、根源的に変えるのはすべて拒絶します。面倒だからです。それよりも、いまやっている業務を少しカイゼンするのであれば、面倒でも、好んでやります」とのことでした。私は、ちょっと驚きました。たしかにそうだからです。

日本人がやりたいのは小手先の改革なのです。彼は続けます。「調達・購買部門のひとは、とくにそうですね」と。何をやろうとしても、「できません」「無理です」としかいわないらしい。日本における調達のプロとは、「できない理由をすべて知っているひと」だそうです。ちょっと笑ってしまいました。でも、ほんとうにそうで
すよね。

なぜそうなのでしょうか。それは、幸福な時代がずっと続いてきたからです。言葉を変えれば右肩上がりの調達業務が続いてきたからです。売上はあがる。だから、調達の仕事は、納期を調整して、なんとか納品してもらえばいい。あとは、量が増えるので、それを前提にコスト削減交渉するだけ。だからそれ以上の業務はできない。

目の前の細かな業務を変えることはやっても、根本から変えることはやらないのです。ダラダラと会議をするだけ。ところでそもそも会議って必要なんでしょうか。どなたかが「これをやりたい。責任は私が取るから協力してほしい」といったら、それで終わりのはずです。

私はよく「この場で決めてください」といいますが、「いや……。持ち帰って検討します」とよくいわれます。興味深いのは、そういう管理職にかぎって部下に「自立と自由な発想を」とおっしゃっています。社長と役員の言いなりになっているだけの管理職が「自立と自由な発想を」と叫んでいるのを聞いて、部下はどう思っているでしょうか。

ほんとうに部門の改革を進めたいのであれば、クビになってもいいくらいの勇気をもって、やるしかないのではないでしょうか。それが外国人から「面倒なことは嫌いだ」とバカにされない処方箋のように私は思うのです。

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