サプライヤー戦略(3)1万円は同じ1万円ではありえない-2

そのように、同じ100万円はずっと100万円であることはありえず、将来にわたってずっと増え続けることが要求されています。1万円を例にとって説明しましょう。現在の1万円は、利率が3%だと仮定すると、翌年には1万300円になっています。さらに翌々年には1万609円になるのです。重要なのは、将来から遡っても同じ結果になることだと覚えておきましょう。2年後の1万609円は、(1.03)²で割ると、1万円です。つまり、利率が3%の世界では、2年後の1万609円は現在の1万円が変容したものに過ぎないわけです。また、2年後の1万609円から算出する現在の1万円のことを、「現在価値」と呼びます。

このことは、私たちに重要なことを教えてくれます。私たちは無意識に「1年後の1万円も、2年後の1万円も等価だ」と思いがちです。しかし、1年後と2年後の1万円は同じではなく、1年後の1万円のほうが、価値があることになります。

直感的には、時間軸を延ばせば理解できるでしょう。現在の1万円と、100年後の1万円のどちらが、より価値があるでしょう。100年前といえば明治にあたります。今の1万円より、明治の1万円のほうが高い価値だった、ということは実感なくともわかるはずです。

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