バイヤと営業
私は企業に勤務して営業と購買、2つの部署を体験している。単純にモノを売るのと買うって事で、まったく正反対の仕事に思えるが、実は非常に似通った仕事ではないか・・・と、購買の実務に携わりながら、日増しにその感を増していった。その理由として・・・
1.そもそも価値の交換であり、本来的には立場は対等のはず!
日本では「お客様は神様です・・・」との言葉に代表される考え方が強い!ともすれば大いに不条理な関係が発注側と受注側で構築されてしまう。大企業と中小、零細企業との関係であればなおさらその傾向が強い・・・。しかし、基本的には製品とその対価の金額という価値の交換であり、対等であるべきではないか?と考えるのである。
2.購買側の営業的感性の有意性
当然、発注側と受注側との関係では本音と建前的な、場合によっては意味の無い攻防が繰り返され、ただ時間のみ過ぎ去るケースがある。当然無意味な時間的経過も大きな逸失コストと捕らえ、本音で話のできる関係の構築は、物事の本質を見据える上で不可欠であると考える。今の日本の一般的な商慣習を踏まえれば、購買側が営業的な感性で事に相対すれば、自ずと有利な状況を見出せるケースが多いと、私の経験から判断できるのである。
3.人間関係構築の為に・・・
どんなにコミュニケーションツールが発達しても、人間関係の構築では依然として膝詰めで・・・との重要性が高いと思う。Web会議やメール等ではなかなか本来的は相互の信頼関係は構築しづらく、直接的なコミュニケーションも必要。どちらか一方ではなくバランスである。その場合、多大なコストを費やし直接面談を行っても、建前論に終始し、お客様は神様です・・・とのスタンスに固執しては、良い人間関係など構築できない。敢えて購買側、発注側よりフラットでナチュラルな関係を示せば、より良い関係の近道となる。
これはともすれば馴れ合い・・・の関係にへも発展する可能性のあるので、注意は必要だが・・・。