あまり面倒見が良くない上司
お悩み:あまり面倒見が良くない上司は、テレワークが進んだ結果、唐突かつ断片的な指示がこれまでよりも増えて、自分の仕事がどんなふうに業績に貢献できているかがわからずなかなかやりがいが感じられません
お答え: 上司にできることはないか?と考えてみてください
テレワークの推進によって、本当に必要な指示とか確認以外のコミュニケーションが希薄になっている事実は、どんな職場でも発生しています。元々「面倒見が悪い」と思っていた上司の元では、テレワーク化する前の問題点が増幅されて感じられることでしょう。状況はお察しいたします。
対人関係の中で発生する問題を理解するためには、まず自分と相手、それぞれに原因が50%あると考えてみます。この取り組みによって、すべて相手に原因がある、だから相手が悪いと考える状態からの脱却を目指します。一種のクールダウンです。
もしかすると、文面以上にどうしようもない、とんでもない上司かもしれません。しかし、上司のそういった対応は、あなたの立ち振る舞いに原因があるかもしれません。一般的な判断では、あなたの行動に問題はないかもしれない。しかし上司と2者間では、あなたが上司を気に入らないように、上司はあなたが気に食わないのです。
上司に指示・命令の方法を改善してほしいと思っているのでしょうか?はっきり言って無理です。人はそんなに簡単には変わりません。上司が100%変化しないとの前提で、あなたの行動を見直して、自分のスキルを様々な角度から改善する方法をご提案します。
例えば、上司の指示を「唐突」と感じる場合、本当にある日突然の指示なのでしょうか?仕事とは1つの結果で、新たな仕事が生じます。内容的に全く初めての指示でなければ、何かパターンがありませんか?そういったパターンがあるなら、先回りして対応することで、あなたに感謝するかもしれません。
また、そんなぶっきらぼう(私がそう感じました)な上司でも、あなたと同じように悩み、迷っているのかもしれません。私は調達・購買部門で担当者から、係長、課長、部門長まで経験しました。部門長だから、悩みもなく自信をもって部下に対して指示ができていたかといえば違います。もちろん長年の経験や学んだ知識はありましたけど、日々悩んで、迷って、困っていました。今、多くの中間管理職は同じか、もっと厳しい状態に追いつめられています。そんなふうに相手を上司である一定の敬意をもちつつ、上司の仕事をやりやすくするためにはどうすればよいか?上司はあなたに何を求めているのかを考えてみると、何かしら解決の糸口が見いだせるかもしれません。
私の営業部門での担当者時代、とても営業の上手な上司の下で働いていました。一緒に顧客と話をしていても「よくそんなこと思いつくな」と顧客をうならせる対応を繰り出して、全社的に見ても圧倒的な営業成績を残していました。そんな上司が私に何を求めていたか?高圧的な物言いと指示を繰り出す上司で「そんなこと、お前は考えなくていい」といわれ、言われるがまま、指示に対応していればよいと思っていた私に、やりがいなんてありませんでした。でもそんな上司が求めていたのは私の「意見」でした。それまでは上司の席の横に立たされ一方的に叱責を受けるだけでした。しかし「こんなふうにやったらどうでしょう?」と提案し、その準備を、指示を受けた内容とは別に行っていました。すると立たされて受けていた一方的な指示が、打ち合わせ机に座って意見を交わすようになりました。案件によっては、私の意見で営業を進めることもできるようになっていました。
こんなエピソードから、人間関係に困るとまず自分でできることはないか、と探すようになりました。自分で探すようになってから、仕事が面白くなったと実感して今に至ります。これまでの上司の中には、徹底的に自分の指示を忠実に守ることを求める上司もいましたが、大多数は意見を求めてくる上司でした。是非、唐突で断片的な指示をする上司にできることはないか?と考えてみてください。唐突で断片的な指示をあなたの意見でサポートすれば、結果的に唐突で断片的ではなくなるはずです。