サプライヤー戦略(9)価格低減は平均値では測れない-7

リターン指向のゾーンにいるサプライヤーは、B-D線より上に点在しています。それに対して、リスク指向のサプライヤーはB-D線より下にいるものです。すなわち、相応のリスクを取っても、それに見合うリターンをもたらさないのがリスク指向ゾーンになります。平均値で見ると、もっとも優れているサプライヤーはCでした。しかし、このサプライヤーはリスクの割にはリターンが少ないと評価することもできます。

ここで、平均値だけでサプライヤーを評価することの「あやうさ」がふたたび露呈してくるのです。平均値は、一つの項目の大きさにより全体の値に影響してしまうこともあり、かつそのブレについて正しい評価ができません。優れていると評価されていたサプライヤーが、ブレを考慮すると、リスク指向だったという評価に置き換わることもあります。

一発屋ではなく、地道なヒットを重ねるサプライヤーたちを評価する。それは、愚直な努力を要求する製造業においては、価値があることだと私は思うのです。

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