サプライヤー戦略(8)なぜ系列発注は優れていたのか-4
- 戦略サプライヤーの選定尺度見直し……前節で、コストの数%~数十%がリスク感知の度合のみでも変化しうることを見ました。ケイレツ企業をたくさん抱えるバイヤー企業は別ですが、こちらが安定した受注に基づき一蓮托生の思いを伝えても、それはこちら側が一方的に決めることはできません。サプライヤーの事業戦略や製品開発計画など、さまざまな確認が必要となります。受動的な態度ではなく、積極的な態度で、バイヤー企業それぞれにふさわしいサプライヤー選定の軸を模索していく必要があるのです。
調達・購買とは、さまざまな領域の知識をフル動員して、サプライヤーという企業体を選定し、自社の利益共同体のなかに参加してもらうことです。調達するものは製品だけではありません。製品の調達を通じて、自社を含む利益共同体の運命を籠絡するほどの重要性を持った高貴な生のことです。