調達コスト決定戦略(5)企業の利益はどのように計算するか-3
ただ、ここで語りたいのは、専門用語の差異ではなく、より大きな点です。企業の利益といったとき、それが損益計算書に反映されるのは、製品が実際に売れた分を指しています。当たり前と思われるかもしれません。しかし、これは在庫というものを考えるときに大きな視点をもたらします。
たとえば、製品を100個生産したとします。そのうち50個のみが売れたとすると、損益計算書上の利益は、その50個に対する利益を計算するのです。もちろん、100個生産したという事実は変わりませんから、実際のお金(=キャッシュ)は100個分かかっています。ただ、繰り返し損益計算書上の「利益」とは売れた分だけを指すわけです。
だから、「本当のお金は減っているけれど、損益計算書上は利益が出ているように見える」という事象がありえます。もちろん、逆も真なり、です。