タブーだらけの恋愛物語
10月から始まるドラマの番組宣伝で今、1991年の1~3月期にフジテレビの月9で放送された「東京ラブストーリー」が再放送されています。今回で7度目の再放送だそうです。久々に見てみると、さすがに30年近い時の経過を感じます。今、放送すれば炎上間違いなし!の場面が多すぎるのです。
例えば、オフィスの机には普通に灰皿があって喫煙しています。このくらいでは炎上しないかな。でも今のオフィスの実情を考えると、まったくリアリティーがありませんね。それ以外にも、今では放送できないことだらけです。例えば、こんな感じ。
・自動車運転中の携帯電話の通話
⇒法律で禁止は平成16年から、当時は法律的にはOKだったのですね
・ストーリー的に絶対飲酒した後なのに車で帰宅
⇒これは当時も×、しかし罰則は緩かった
・営業相手から、女性社員を連れてこい、一杯付き合えと言われている
⇒完全なセクハラ
28年もの月日が、それだけ「常識」を変化させているのですね。でも、登場した「変化」は、そうあるべき内容ばかりです。テレビは、世論を形成する多くの視聴者に見られます。それだけ世の中の変化に追従しなければならないのです。追従しなければ、見られなくなるだけなのです。
そう考えると「放送内容はおかしい!改善せよ」と声高に叫ぶ視聴者は、テレビ局にとっては有り難い存在かもしれません。だって調達・購買部門のバイヤーに「あなたのやり方は間違っています」と言ってくれる営業パーソンっているでしょうか。言う前に、行かなくなったり、電話やメールをしなくなったり、コミュニケ-ションが途絶えます。バイヤーは、なぜそうなったのか、理由がわからないままです。だから改善も難しいのです。
社内の同僚や上司だって、今は人手不足のまっただ中です。そもそも他人の問題点を指摘するなんて、できれば後回しにしたいはずですよね。だから、バイヤーって自分で情報をとって、自分で気づくしかないんです。周囲の人は誰も「タブー」を指摘してくれないんです。