昨日のニュース タイの洪水被害について
洪水被害が拡大 タイ首都も警戒
毎日新聞 2021/10/25 東京朝刊 朝刊国際面
https://mainichi.jp/articles/20211025/ddm/007/030/112000c
2011年、東日本大震災で大きな被害を受けたサプライチェーンが、その年の秋発生したタイの洪水でも大きな影響を受けました。あれから10年が経過する今年、同様の被害発生が懸念されています。
2011年当時は、アユタヤ県の工業団地が操業停止に追い込まれ、自動車やハードディスクの部品供給が大幅に停滞しました。例年雨季後半の小規模な洪水にタイの国民は慣れていると言われています。しかし近年の「極端気象」の顕在化で降雨量が増大すれば、2011年なみ、若しくはそれ以上の被害も懸念されるはずです。
また2011年当時は、洪水発生にともなう感染症流行拡大も懸念され、渡航者には注意喚起情報が流されていました。一般的にマラリアは、洪水後に流行拡大すると言われており、新型コロナウイルス流行の鎮静化活性化が期待されるでビジネスパーソンの往来に影響を及ぼす可能性もあります。
タイからの主な輸入品目は機械器具、原油、電子部品です。タイのサプライヤと取引をしている場合は、ここしばらく現地の状況を注視すべきです。「注視」とは、現地サプライヤと短時間でいいので、工場稼働状況、従業員の出勤状況と物流状況は日々刻々の状況掌握を行いましょう。リスク回避目的での現地在庫の早期購入等も含め、影響が大きくなる前の対応が肝です。洪水は地震と異なり、情報収集である程度の予見が可能です。日々研鑽しているバイヤとしての情報力を発揮して先手を打ちましょう。