帰ってきた池田史子の参謀日記146
いま未来調達研究所でアシスタントというか、サポートというか、さまざまな仕事をしています。
坂口さん宛に、さまざまな問い合わせがあります。多くはコンサルティングや、講演依頼です。ただ、なかには、アーティストのライブに来ませんか? というのもあります。たぶん、坂口さんが、音楽好きと公言しているからですよね。テレビでもたまに解説をしていますが、このひとは、ロック、メタル、ハードコア、デス、パンク、歌謡曲、ポップス、ジャズ、なんでも聴いています。もちろん、その一つだけのジャンルのファンには勝てないかもしれませんが、空き時間があればずっと音楽の本を読んでいます。この前は、小林秀雄と吉田秀和のモーツアルト本を読んでいました。
話を、問い合わせに戻します。ライブの誘いがあったのですが、坂口さんが行けませんでした。そこで「代わりに行ってきたら」といわれました。さらに、坂口さんが、「私の代わりの者が行きます」と答えました。すると、もともとは、会場の中心の席だったはずなのに、会場の外れの席を確保したといわれました。なんだか、かなりショックでした。
ある人が行く場合と、私が行く場合がちがう。それに違和感をいだきました。
思い出した話があります。坂口さんが、仕事の関係者とレストランに行ったとき、その受付をした女性があまりに冷たかったそうです。
しかし、そのうちに、テレビで坂口さんを見たことがあるらしくて、その女性が突然、優しくなったといっていました。そして、坂口さんは、「相手が誰かによって、態度を変えるなんて最悪の女だ」と異常に怒って、店を出ていきました(ちなみに京都での話だそうです)。
それを思い出したので、ライブの話をすると、「んー、そうかあ」といっていました。そのあとに「じゃあ、もう返事しなくていいよ」といいました。
私に、この文章の読者の方々から感想メールをもらいます。実に、その大半が女性の方々です。そうすると、意外なほど「私が女性だからか、取引先の男性のトップが私を飛ばして、私の上司と交渉しようとします」と、日常の感想を書いてくれます。きっと、その女性たちは悲しんでいると思います。
男性は、よくダイバーシティとか、女性活躍とかいいます。でも、ほんとうに、それを心から信じているのかな、と思う場合がよくあります。たぶん、その背後で、たくさんの女性たちが涙をこらえているんじゃないかな、とも思います。
今回、坂口さんの文章が短いから、長めに書いてくれといわれました。だから、普通だったら書かないことも勇気をもって書きました。私は難しいことはわかりません。でも、たぶん、会社のメッセージとして、すごくかっこいいことをいうのではなく、そのなかの一人ひとりの男性が、取引先の女性を大切に考えてくれたらなと思います。
オチがなくてすみません。