帰ってきた池田史子の参謀日記80

いま未来調達研究所でアシスタントというか、サポートというか、さまざまな仕事をしています。

今回、私の秘密を公開します。

実は夫婦で下着を共有しています。というのは嘘です。それくらい面白いネタではなくすみません。

以前、私はなかば強制的に解雇になった経験があります。私はそのあとに未来調達研究所で働いています。経緯については、昔、この日記でも書きました。ところで、以前の職場に、男性の同僚がいました。同僚といっても、年齢はちがいます。そのひとは、調達関係のひとでした。

ご存知の通り、未来調達研究所では調達・購買関連のセミナーなどをやっています。まさか、とは思ったのですが、その男性の同僚が未来調達研究所のセミナーに参加申し込みをしました。でも、おなじ職種なのですから、可能性はあります。問題は、私がそのセミナーで受付をすることでした。

そのひとと会ったら何を話そうか、と思いました。でも、とくに思いつきません。そうして当日。その元同僚が受付にやってきました。その元同僚は私が未来調達研究所で働いているとは知りませんでした(知らないはずです)。すると、たんたんと受付を済まし、席に座りました。セミナー終了後に、アンケートを回収しました。その男性は近づいてきて、「アンケートはここに置いていいんですか」と訊いてきました。「はい」と答えると、無言で置いて、退出しました。

私は空気のように扱われました。話したかったわけではありません。ただ、とても奇妙な感覚でした。職場では普通に話していた男性でした。

以前、未来調達研究所の内部で勧められていた書籍に、堀江貴文さんの「自分のことだけ考える。」があります。そこで、堀江さんは、収監時に絶望に苛まれて、落ち込んで眠れなかったときに、若い刑務官がそっと近寄ってきて「僕はどうすることもできないけれど、どうしても寂しくて我慢できなくなったら、話し相手になるよ」と声をかけてくれ、組織人の立場を超えたその一言で救われたエピソードを書いています。

私はそのとき失意のなかにはありませんでした。むしろ、新たな職場で思いを新たにしていました。しかし、以前の職場で受けた不条理をその男性は知っていたので、せめて「元気?」くらいは話しかけてくれると思っていました。ただ、あくまで思っていただけです。他者に強制する権利はありません。組織人として、出た人間はもう無関係とも思ったかもしれません。でも、なんだか不思議なくらい、悲しかったことを覚えています。その元同僚が、私を認識していたのも間違いがないからです。

もちろん私の甘えであるのも間違いありません。ただ、なぜだか私はその組織を離れて良かったのだ、と思うこともできた出来事でした。

ちょっと躊躇したのですが、そのことを坂口さんに話しました。すると、元の職場のひとから、いろいろな罵詈雑言を言われた経験があるようで、言葉少なに、鈴木いづみさんの本を紹介してくれました。そこには、こう書かれていました。

「長く生きていると、人はみんな、さみしいね」

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