帰ってきた池田史子の参謀日記48
いま未来調達研究所でアシスタントというか、サポートというか、さまざまな仕事をしています。
未来調達研究所にいる男性二人(坂口・牧野)は、ほんとうによく本を買います。たぶん、普通は一ヶ月に一冊も本を買わないと思います。年に数冊、という場合もありますよね。マンガならまだしも、本を読まない人もいるはずです。
坂口さんは一日に5冊くらい本を買っています。とにかく気になったらなんでも買うので、オフィスは本が溢れかえっています。そして、つまらなければ、ちゅうちょなく捨てています。それなら図書館で借りたほうがいいと思うのですが……。本人曰く、借りると情報の重みが落ちる、のだそうです。
ところで、坂口さんがインタビューを受ける場面を見ていると、「こういうことが、こういう本に書かれていて」とか「こういうひとが、こういうことをいっていて」とか固有名詞が出てくるのが不思議です。横で見ると、本をパラパラと見て、捨てるだけのように思えます。ただ、本人は「印象的なところだけ話しているので、覚えている必要はない」とはいっています。
オフィスでは音楽が流れているのですが、音楽もけっこう詳しく、ジャンル問わず、いろいろ語ってくれます。
しかし、驚くのが、他の記憶力のなさです。オフィスから出るとき、カギを閉めます。ほぼ毎回、歩いていると「カギを閉めたっけ」と真剣に聞かれます。また、昼食で支払いをしたあと、これまた毎回のように「あれ、自分の分の昼食代を払ったっけ」と真剣に聞かれます。
たぶん、私を試しているのだろう、と思いました。以前、「あれ、給料は払ったっけ」と訊かれたので、「まだですよ」と答えました。すると、「いやあ、すまない」といって、ただちに払ってくれました。
ほんとうは前日に払ってくれていたのですが、二回も払ってくれました。
これは訂正しにくかったので、二週間後に「なぜか二回、払われていますよ」といったら、「ごめん、間違えたんだろうなあ」といってくれました。
それにしても、面白かったのが、さらに数週間後にためしに「先月の給料が払われていません」といったときです。さすがに気づくだろう、と思ったら「調達・購買は支払い遅延を起こしてはいけない。それなのに、自分が遅延してしまった。申し訳ない」といい始めたことです。
さすがに、その振り込みは止めました(笑)