3章・(5)-1 商売における「お金」とは何か?

キーワード「融資」「出資」「株主」「利子と配当」

 

・会社のなかを流れゆくお金

 

商売におけるお金とは、体を流れる血液にあたります。商売がどんなにすぐれていても、体がどんなに素晴らしくても、お金と血液が止まってしまえばおしまいです。うまい商売を考えても、それでお金にならなければどうしようもありません。

商売における「お金」。これを商売のスタート時点から見ていきましょう。

商売では、お金を元手としてすべてが始まります。そこで、あなたが夢見ている商売の元出が1000万円必要だったとしましょう。500万円は銀行や友人から借りてきます。そして、あなたは「株式」と書いた紙を渡すことによって、それを買ってくれた人から残り500万円を集めました。あまりにも簡単な例ですが、これがよく耳にする「株式会社」というものの仕組みであり、商売での「お金」を説明してくれます。

あなたは500万円を借り、500万円を株式というもので集めました。この二つの違いはなんでしょうか。

  • 500万円を貸してくれた人……「融資」と呼ばれるものです。約束した利子を支払って期間内に返さねばなりません
  • 500万円の株式を買ってくれた人……「出資」と呼ばれるものです。配当(のちほど説明)を渡さねばなりませんが、500万円自体を返す必要はありません

このような違いがあります。借金という「融資」は返さねばなりませんが、出資のほうはお金を返す必要はありません。ただし、その代わり出資者は株主として、あなたの事業を監視し、さまざまな意見をあなたに伝えます。それにより方針や事業そのものを変更しなければいけない場合があります。だって、お金を出しているのは株主ですからね。「会社は株主のものだ」という人がいます。それは感情的には賛成しかねるものの、原理的には当たり前のことだったのです。

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