森田童子を知っているか

森田童子さんがお亡くなりになりました。ファンとして、書いておきます。森田童子さんの魅力は、その絶望にあります。ある意味、ポップスや、フォークも、歌謡曲でもいいのですが、希望がなければなりません。悲しみのなかでも、ある種の希望が必要とされます。

しかし、森田童子さんの曲には希望はありませんでした。絶望というか、なんの希望もないんだけれど、死ぬよりはマシだから生きねばならないという、消極的な生の形。フーコー的な美意識がありました。

さよなら、ぼくのともだち。そういうときに、ともだち、とは、もちろん、古いイデオロギーを指しているのは自明でした。つまり、かつての帰依、信仰の拠り所がなくなった、ポストモダンの現在に生きねばならない哀しみと、そして絶望。

それを、JOJO広重さんがノイズでカバーしたのが、スラップ・ハッピー・ハンフリーです。これは、森田童子さんのカバーバンドで、ノイズギターが、ほとんど戦慄するほど美しくかぶさっています。

高校のとき、これを聞いて人生が狂いました。きっと、これを聞いていなければ、真面目にサラリーパーソンとして課長くらいになっていたでしょう。

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