5章-19:仕組み・組織体制
残念ながら、私の23歳時の顛末は、もう古すぎて細部を覚えてはいません。ただ、もともとそれほど重要な立場になかったためか、けっきょくは、他拠点に乗っかって、成果は出たような記憶があります。それこそ、集中購買の効用ともいえます。一人の馬鹿者がいても、すくなくとも共通品は全拠点内の最安価で購入ができます。
前述の節で私は現業部門との連携を語りました。ここでも私が述べたいのは、幼稚なレベルの話です。組織がとか、仕組みがとか、ルールがとか、そういった話ではないのです。交渉窓口として取引先にあたるのだから、最低限の情報は知っておきましょう、というものにすぎません。
計算は3カ年の平均でもかまわないのです。重要なのは、その数字を、すくなくとも感覚値と、定性的かもしれませんが現場からの声とともに確認することです。なかには次期以降、まったく使わないものを調達・購買部門が交渉する場合もあるくらいですから。取引先は、それらの数字をもとに中期的な売上高計画をたてます。その数字が、大外れするかしないかで、どれだけ信頼度に影響を及ぼすかはいうまでもありません。