4章-10:取引先管理

縦軸に、難しいものから易しいものまでを掲げてみました。

 

  • 資本参加による連結対象化、子会社化、経営権の獲得:資本参加による連結対象化は、20%を超えると実現します。言葉を替えれば取引先を「自社」にすることです。取締役を送り、その会社の経営に携わります。なお、株式の33%以上を出資すれば、定款の変更など、重要な決議事項にたいして拒否権を持つことができます。また50%超えた場合、実質上、経営権を握ることになります。しかし当然ながら、自社が資本注入することでどのようなメリットが中長期的に生まれるのか、シナジー効果があるのか、その見極めが重要です。
  • 人員確保、技術開発推進のためのアライアンス:これは将来の仕事を確約し、自社向けに取引先人員を確保してもらい、それによってスムーズな工期を実現するものです。あるいは、特定の施工技術などで業務提携することで、他社グループに比べた優位性を発揮します。もちろんこれは取引先にもともと技術競争力・品質競争力があり、かつ取引先が自社を排他的な扱いをしてもらえるときに限ります。
  • ご子息の受け入れ、OB派遣などの人的交流:優良取引先やまたは協力会に参加企業から経営一族を向かい入れ、自社カルチャーを体得いただいき、再び取引先へ送り出し、人間関係としても蜜月な関係を築いたりすることです。あるいは、自社ノウハウや自社の考え方に精通したOBを取引先に送り出すことで、密接な関係性を築くことです。
  • 表彰制度あるいは特定業務の割増査定:品質や価格に優れた取引先を表彰したり、あるいは特定の技能レベルが認められる取引先人員にたいしては、査定価格を割り増ししてお支払いしたりすることです。
  • 評価レベルに応じた競合参加の有無、あるいは指名発注:取引先を評価し、上位ランク取引先にのみ競合に参加してもらったり、あるいは特定の工事では事実上の特命発注を行ったりすることです。
  • 技術文化会や生産交流会等の開催:現業部門や生産部門とともに、取引先と新たな施工技術や新たな生産技術のテーマを決め両社で取り組むことです。そして年に数回の説明会や発表会を経て、お互いの現場人員レベルでも交流を活発化することです
  • 発注方針説明会、工事・調達計画情報の開示:年に一度、あるいは半期に一度、自社の発注方針を伝え、それに付随した、協力依頼施策や目標値を共有することです。そして、次期にどれくらいの調達量を予定しているか、具体的に提示し、取引先に備えていただくことです。
  • 担当者間の月度ミーティング、レイヤー面談管理:調達担当者と営業担当者間で、懸念事項や課題事項、そして相談事項を本音で語り合える場を作り、意思疎通を円滑にすることです。また、レイヤー面談管理とは、調達担当者と営業担当者、調達課長と営業課長、調達部長と営業部長、というように同じ層での意見交換を定期的に実施し調達戦略と営業戦略をすり合わせ、軌を一にすることです。

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