4章-11:取引先管理
なお、優良表彰制度にはさまざま形があり、基本的には全社の総意として、特定の取引先にお礼を込めて表彰状などを送ることです。一例では、発注方針説明会だったり、協力会社の総会だったりで、社長や調達本部長などの役員レベルから固有名詞をあげてお礼を伝えたり、トップが取引先に向かい表彰会など開催したりすることです。
また、後者の場合には、まず調達課長等からその取引先の優位点を述べ、そして役員からはお礼と今後に期待すること、自社のビジネス展開などを述べます。その後、表彰会に移り、取引先の社長から一言をもらい.そして懇親会といった流れが一般的です。
かつては、自社から優良表彰として10万円などを渡すケースもありました。いまでは、現金よりも、盾などの記念品を送るケースが多いようです。
ちなみに、私は、一言でいえば「企業の営業戦略は値上げ」「企業の調達戦略はコスト削減」と思っています。そもそも、営業戦略と調達戦略は相容れない性格を有しています。ゆえに、「コストが他の取引先とくらべて、もっとも安かった」内容の優良表彰は、取引先からすると、微妙な感覚を抱かざるを得ません。
よって、取引先への表彰の際には、単にコスト安価を褒め称えるだけではなく、その協力によって、仕事量を増加できただとか、あるいは、その表彰の席上でしか聞けない重要な情報があるだとかの工夫をせねばなりません。