3章-22:コスト削減

そして調達担当者としての交渉に臨む際の心構えを二つ書いておきましょう。

  • 一つ目は、はっきりさせたくない内容ほど、はっきりさせることです。「こういうことでよろしいでしょうか?」あるいは、「これは合意でよろしいでしょうか?」。この二つのフレーズで、できるだけ確認してください。言いにくいことではあります。しかしながら、曖昧な空気のままやりすごすよりも、軋轢が生じようが、お互いの主張を明確化するほうが、はるかに実りある交渉となります。「具体的にはどうすればいいのでしょうか?」「具体的にこう理解しましたがよろしいでしょうか?」「具体的な期日はいつまででよろしいでしょうか?」……。はっきりさせることは、他者への優しさだと私は信じています。

 

  • 二つ目は、自分の意見を取り消す勇気を持つことです。これは、その都度、意見を変えろというわけではありません。以前に発言してしまった内容であっても、現時点で真面目に考えると、間違っている場合はよくあります。状況も変わります。情報も変わります。以前、不確実な状態でいってしまった内容が間違えだったことなんてよくあるはずです。あるいは単純な勘違いだったのかもしれません。
    しかし、意地悪な人間はいるもので、「坂口さん、その発言は、以前にいっていた内容と矛盾しますよ」と揚げ足を取る人がたくさんいます。そのような場合には、真摯に説明をし、昔いった内容は間違いであったと謝って、さっさと先に進んだほうがいいはずです。その方がはるかに良い結果を生みます。
    昔の意見と矛盾がないように取り繕っていると、そこにさらに矛盾が生じ、不整合が生じ、つじつまが合わなくなってしまいます。人間は、過去と未来の継続性を信じるものですから、なかなか昔の自分が間違っていたとは認められません。ただし、そこはこだわるべきではありません。「昔は間違いだった。ただ、それがどうかしましたか。今の考えを基に議論を進めましょう」と、潔くいえることが、私は交渉人として大切なように感じるのです。

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