2章-11:インフラ系調達・購買のコスト分析
(3)注文件数とコスト削減寄与度分析
次に注文件数の分析を行います。これは一件の注文を、価格ごとにカテゴライズし、その年間件数と発注金額を見るものです。モノの調達だけではなく外注などの分析にも有効です。
縦軸には一件あたりの注文価格です。この分類を採用すると、100円のものを1個注文する場合と、100円のものを1万個注文する場合があるとすれば、違うカテゴリーに分類されます。なので、誤謬が生まれかねません。
ただし単価で分類するのは非常に煩雑になってしまうため、そのような注文個数の例外はあえて無視します。前述の通り、1個と1万個のケースは無視できるほど例外と考えます。そこで、もとのとおり、一件あたりの発注金額での分類をお勧めしておきます。
そして横軸は、その年間件数と、発注金額の総計と、それが全体の何%を占めるかを示したものです。100円のものをするときと1,000,000円のものを発注するときとは、発注にかかる時間が異なります。1,000,000円の場合はより多くの時間がかかるでしょう。しかし、ここでも単純に、注文件数の多さがそのまま労働時間につながっているとしましょう。
すると、発注金額の低いものに相当な時間がかかっているとわかります。すなわち発注金額でいうと、それほどでもないにもかかわらず業務のほとんどのウェイトを占めているのです。これがわかるだけでも。業務改善のヒントになります。