1章-13:インフラ系調達・購買の基礎知識
- 「工期遵守」:工期を遵守できる取引先を選定すること、または孫請けなどの取引先を紹介したり、または取引先の新規人員採用を促進させたりすることで、確実な工期完了を目指すことです。
- 「対応サプライヤ模索」:取引先のカードをたくさん持っておくことで、突発的な工事・プロジェクトや、業務量の増加に追随することです。また、取引先の検索ノウハウを有しておくことです。
- 「委託業務量変動対応」:委託している業務量が変動しても対応できるように、取引先にあらかじめ情報を流したり、契約内容を工夫したりすること。また、他企業に向けられているリソースをこちらに割り振ってもらえるよう交渉したりすることです。
→この三つは、生産日程を厳守させることにより.ユーザーへの訴求力をあげると考えられます。工事日程に対応できるサプライヤを探してくるのも、自社の最終サービスの魅力向上に寄与します。逆の立場になればわかるとおり、なんでも対応してくれる会社は魅力的です。
- 「サプライヤ関係性向上」:定期的な打ち合わせを実施したり、定期的なトップ間の懇親会を開催したりすることで、関係を蜜月にし、緊急対応時の対応を乞うものです。また協力会を設置したり、表彰制度を作ったりして、自社の求心力を上げる取り組みも含まれます。
- 「サプライヤ先端技術採用」:取引先が開発している製品技術や、工事の施工技術、あるいは品質向上策を定期的にヒアリングし、次のプロジェクト等で使えないか検討することです。また、定期的に、自社の現業部門と取引先の打ち合わせをセッティングし、こちら側の悩みごとや技術課題を意見交換することも含みます。
- 「特定技術専売契約」:アライアンス契約を結んだり、特定の技術を自社にのみ専売してもらえるよう交渉したりすることです。
→この三つは、さらに遠回りになりますが、同じく最終サービスの魅力向上です。とかこれはなかなか調達部の成果としては評価されにくい、あるいは評価困難な領域でありますが、自社の最終的な収益につながると理解することは重要でしょう。