6-(1)-1 RFx

・発注前に条件をしっかり合意しておく

RFx:RFI(情報提供依頼)、RFP(提案依頼)、RFQ(見積り依頼)のことを指します。RFIとRFPは見積り依頼に先立って実施するもので、サプライヤーの基本情報を入手したり、こちらの要求仕様をより安くできる提案を入手したりするものです。そして、RFQではこちらの条件を過不足なく伝え、それに合致する見積りを入手するように努めます。

また、実際はRFIはせずとも各サプライヤーの状況を把握していることが多いため、RFPとRFQを同時に行なうことが多いはずです。バイヤー企業ごとに要件をフォーマット化し、サプライヤーに提出します。

ある国の調査。異性間のマッチングサイトがあります(名前はかっこいいのですが、実態は単なるお見合いサイト)。そこに登録されている男性の平均身長は国民平均よりも5cm高く、年収はこれまた国民平均よりも100万円程度高かったそうです。そのマッチングサイトには、国民平均を上回るアッパークラスだけが登録しているのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。自分を相手に「売り込む」ために自己演出を過剰にしているだけだったのです。

自分が売れるまでは良いところだけを(ときには捏造してまで)相手に見せる、ということが人間の哀しい性のような気がしてなりません。この虚栄心を、サプライヤーへの見積り依頼と絡めて話すのは不遜でしょうか。

私はこれまで無数のRFxを繰り返してきましたが、見積り当初から「ウチにはこんな大きな問題点がある」とか「この仕事をやり遂げるのは無理だと思っている」などと本音を語ってくれる人はほとんどいません。「ウチにはこういう技術力がある」とか「絶対に大丈夫。顔をつぶすようなことはしませんよ」という言葉であれば何度も聞きましたが。それ以降そういうサプライヤーから手のひらを返されたことだって、バイヤーならば一度や二度ではないはずです。

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