7章4-1<セクション3~社内関連部門とのコラボレーション>

・社内関連部門とのコラボレーション

さて、調達戦略を戦術として実行していく際に、重要となるのは社内関連部門との連携です。調達品のQCDにたいする期待は高まり続けています。しかし、調達・購買部門は直接的に顧客に接しているわけではありません。社内の関連部門を通じて、顧客にモノやサービスを提供する一機能を担っています。

したがって、最終的には顧客のニーズである、高まったサプライチェーンへの期待に答えるために、直接顧客とコンタクトを持っている社内関連部門からの期待に添う必要があります。前述のとおり、調達・購買部門が購買力を発揮するためには、関連部門の意志決定を尊重したうえで、調達戦略とのすりあわせをせねばなりません。

また、コストの面でいっても、調達・購買部門だけが交渉するのと、全社が一丸となって交渉するのとでは結果が異なります。この交渉とは、机をはさんだ意味にとどまらず、仕様検討や調達ボリューム検討など、対サプライヤすべての条件を意味します。

サプライチェーンを和訳すると「供給連鎖」となります。連鎖とは、物と物とをつらねる鎖であり、鎖のようにつながることを意味します。調達・購買部門は、購買に関する意志決定の末端に位置し、調達・購買部門の先にはサプライヤがいます。調達・購買の前工程には関連部門がいます。

その双方を鎖でつなぎ、ときには、その双方に生じる矛盾を解消する努力も必要です。だからこそ、調達・購買部門として社内の関連部門との関係性が、とても重要になってきます。

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