4章-5-3<セクション4~③自ら学ぶ場を創出する必要性>
(3)購入価格説明会
調達・購買部門の同僚との勉強会で、このテーマはかなりの盛り上がりが期待できます。出席者それぞれに一つ、自分が担当した購入品について、まず購入仕様を説明します。出席者は、その説明を聞いて購入価格を見積ります。最後は、実際の購入価格を明らかにして、なぜ価格が決まったのかを説明します。
この勉強会で重要な点は、調達担当者が実際に見積をおこなってみる点、また、自分が担当した購入品の価格決定の理由を自ら説明する点です。説明に対して、出席者から言いたい放題のコメントをしてもらいます。この「言いたい放題」の中には、新たな気づきがあるものです。そんな気づきを次の価格決定に生かすのです。
費用対効果が高く、主催者としての準備が多くないテーマを三つ挙げました。これだったら、すぐにできそうじゃありませんか。スキルとは、与えられるものでなく、みずから行動して獲得するものです。やってみようと思ったら、すぐ仲間を探して、やってみてください。
ちなみに著者は、6年にもわたって「調達・購買私塾」なる一般応募型の勉強会を実施しています。これは若手向けに調達・購買業務トピックを月に一度、2時間、みっちり説明するものです。ありがたいことに、休みなく継続できました。
もちろん目的は若手にたいして、必要な知識を詰め込み、明日からの業務に役立ててもらう一点にありました。しかし、やってみると、主催者側がもっともメリットが多いと気づきました。というのも毎月、意識的にネタを集めねばなりませんし、説明方法についてもあれこれと悩み、また資料を作成することで、業務の棚卸ができました。本書も、その多くを、勉強会での発表内容に依存しています。
まわりと自らの成長を加速させる勉強会は、実施する価値があります。