5章-12 モチベーションゼロの仕事術

たとえば、舞台俳優がいたとして、やる気がないからといって演技に手を抜いたらどうだろう。それはプロ失格のはずだ。ほんとうはどう考えていてもいい。ただ、プロとして演じなければいけない。職場をひとつの舞台と考えれば気が楽になる。

具体論としては、

  • 鏡で自分の顔を見つめよう。そして、他者が批判を挟めないような「キメ顔」を用意しておく。私の場合は、目を見開き、口をぎゅっとしめたときの顔だ。自分の顔ながら「これは否定しづらいな」と思う顔がきっとあるはずだ。
  • 「~と思います」「~と考えられます」を使わず、「~です」と言い切る。自信がないように見えると、それは会話の強度の低下をもたらす。
  • 声の質を気にしておく。日本人は声の大小でしか会話にバリエーションをつけることができない。ここで、声の大小ではなく、声の高低を使おう。通常は低く語り、強調したい箇所で(たとえば、「重要なのはこれなんです」など)、声をやや高めに語る。もちろん、声もぼそぼそと語るのではなく、通る音量を忘れてはいけない。

これらを心しておく。私は、人前で話した画像を見ることがある。最初は恥ずかしくてヘタで見ていられなかった。ただ、ビジネスマンとは一人の演者である。演者であれば、演技の質向上を忘れてはいけない。きっと、何度か見て改善を繰り返しているうちに、それがゲームになっていることに気づくはずだ。仕事が面白いかも、と勘違いする瞬間は、いつもささやかな改善とその実感に支えられている。

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