「お客様は神様」について

たまたまネット上で見かけたリポートに驚いた。企業と消費者の関係を回答する質問に、「お客さまは神様」と考えている人は、実は多くないらしいのだ。そして、「企業と消費者は互いに信頼しあう関係を築くべきだと思う」と言う答えがトップの回答だった。

 

この場合は一般消費者を対象としているので、私のような産業購買を行っている人間とはちょっと感覚が異なるかもしれない。でも「お客さまは神様」って考え方は、良くも悪くも日本人が根強く思っているとも思っていたので、かなり意外だったのだ。しかし多くの日本人がこのように思っているのであれば、モノを買うへの注目が、今とは違った形で増してくるのではないか?と思っている。

 

「お客さまは神様」 これは売る側が顧客を思う場合は、美しいと思う。しかし私のようなバイヤー、買う側が「俺は神様だ」とふんぞり返ってしまう場合は、かなり醜いと思っている。残念なのは、そういうバイヤーがいまだ多い点。私のバイヤー経験は10年以上あって、少なくはなってきているが、しかし私よりも若い世代でも、ふんぞり返ってしまう輩がいるのには驚きだ。

 

それはなぜか?バイヤーがふんぞり返って、サプライヤーがそれを許容している場合、間違いなくサプライヤーにとってうまみの多いビジネスになっているケースが多い。従い、発注側としては不利益を被っているわけだ。これは私の経験から判断しても100%間違いの無い話である。

 

基本的に売り買いは、価値の交換である。まぁ世界で唯一当社しかできない差別優位性を持つ製品・サービスがあれば別だが、そういう固有の技術をもってしても、価値の交換を起点にしてさまざまなアクションを行うべきである。「顧客の声は神の声」なんていって、無理難題を押し付けるのは、買う側はもっとも慎むべき行為である。ふんぞり返った人間から繰り出される無理難題は心をすり減らす。アンケート結果の様に、お互い信頼しあう関係を築くべきだと思っている。

 

しかしこういう時代は、きっと信頼できる相手が少ないんだろうな~と思う。でもこれってチャンスじゃない?やる人が少なければ、自分自身の行動に付加価値が増すわけだから。そうやって、私は信頼関係とは?について考え、理想的な姿を追い求めるのである。

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