1-5どうやって進むのか1~調達購買戦略とはなにか?

戦略には「戦いにいかにして勝利するかを考え、策をめぐらせる」意味があります。調達購買戦略は一定期間の進むべき方向が必要です。企業として勝ち残るためにも不可欠であり、立案した戦略によって企業業績が大きく左右される要素です。

☆調達購買戦略の位置づけと必要条件

業務の流れを考えるとき、調達購買部門は企業内で川下に位置しています。これは調達購買の戦略に影響を与えます。調達購買戦略は、企業全体の事業戦略を実現させるための機能戦略です。具体的に次の5つの要素が必要です。

1.現実的であること

市場における企業間競争に実際に活用し、実現できること。

2.数値化でき、かつ検証できる定量的な指標をもつこと

精神論を排除する意味で、数値として評価・検証できること

3.具体的に実現可能な内容であること

抽象的でなく、調達購買部門で取り組み可能な具体的な内容であること

4.継続性と展開性があること

サプライヤーへ影響を及ぼす点からも継続性と展開性を兼ね備えること

5.全体を通じて最適化すること

社内関連部門が立案した機能戦略と整合性を確保し、実行には独善的ではない全体最適を実現する内容であること

☆調達購買戦略受ける影響

調達購買戦略は、部門で独自に立案します。しかし、独善的な内容ではなく企業や事業全体の戦略との整合性を確保します。調達購買部門の位置づけから、業務フローの川上に位置する営業、技術といった社内関連部門の戦略実現に貢献する内容が欠かせません。この点が「制約」となり、調達購買戦略立案の難しさです。どんな企業でも、社内関連部門が欲しくないモノは購入できないのです。

☆調達購買戦略が影響を及ぼす側面

調達購買戦略は、サプライヤーに対してどのように影響を及ぼすかも重要なポイントです。購入金額が多かったり、技術開発や企画立案を共同で行ったりするサプライヤーは、戦略の方向性を共有化し、より強固な協力関係を構築します。

強固で良好な協力関係にあるサプライヤーと戦略にまつわる情報共有したら、共同して情報収集に取り組みましょう。将来的な方向性を一緒に検討するのはもちろん、業界や製品、サービスにまつわるサプライヤーが収集した情報を川上部門へフィードバックすれば、より広範囲を網羅した情報収集が実現します。

サプライヤーと行う戦略共有は、限られたサプライヤーとだけ行う取り組みです。限定する根拠を常に問い続け、サプライヤーのあらゆる面での高い貢献度を求めて続け実現します。(牧野直哉)

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