就活学生に贈る言葉 2
ある学生から、就活について相談を受け、メモを作成したので3回にわけて公開します。2つめの相談は、エントリーシートの書き方について
- エントリーシートの書き方
- 一般的にエントリーシートは次のような4つのポイントで書く。
- 伝えたいポイントを絞る
「絞る」とは、前提条件として伝えたい内容がたくさんなければならない。ここで「そんなに伝えたいことなんてないよ」と思わずに、これまでの自分の人生を振り返って思い出される様々なエピソードを、どんどん書き出してみてください。少なくとも20年以上生きているわけだから、楽しい思い出、つらかった思い出悲喜こもごも様々なエピソードが、どんな人にもあるはずです。ドラマやフィクションの世界のような大きなエピソードでなくても構いません。とにかく書き出してみてください。エピソードのポイントとしては、大学生であれば次のような切り口があると思います。- 初めての記憶
- 幼稚園や保育園時代の思い出
- 小学校時代の思い出
- 中学校時代の思い出
- 高校時代の思い出
- 大学時代の思い出
- 各学校時代のクラブ活動の思い出
- 取り組んでいたスポーツの思い出
- 自分の趣味について
- 高校時代や大学時代に経験したアルバイトの思い出
- 学校やバイト先での友人との思い出
- 修学旅行や学生時代の旅行で訪れた地域にまつわる思い出
- 自分の夢について
- 自分の将来について
- エピソードは具体的に書く
「具体的に書く」とは、読んだ相手にわかりやすく理解できる内容で書くとの意味。就活では、そもそも自分自身を採用担当者に理解してもらわなければならない。自分とはどんな人間か?を理解してもらうために、次のように書くが「具体的に書く」になります。先ほど書き出したこれまでの人生のエピソードについて、次の3つのポイントが言えるかどうかを考えてみてください。特に次の③はとても重要です。- 起こった出来事を簡潔に書く
- 起こった出来事で、自分はどう感じたのかを書く。どう感じたかは、喜怒哀楽を明確に正直に書く
- 【重要】出来事で自分はどう感じて、感じた内容が最終的に自分の人生にどんな影響を及ぼしたのか、何を学んだのかを書く。
- 伝えたいポイントを絞る
- 一般的にエントリーシートは次のような4つのポイントで書く。
就活している学生の人生は、企業の採用担当者の人生と比較すると、そんなに大きなエピソードがあるわけではありません。だから人と違った奇抜なエピソードは必要ありません。ポイントは起こった出来事で何を感じ、感じた内容から何を学びとったのかを相手に伝えます。例えば、こんなふうに書いてみます。
【起こった出来事】中学時代サッカー部で、地区予選突破は確実と言われてたにもかかわらず、突破を決めるはずの試合に負けて都大会に進めなかった
【感じた内容】予選突破は当然と考えていたので、試合に負けたときは悔しさではなく、何か起こっているのかも分からないくらいぼう然としていた
【何を学んだのか】試合が終わった直後は、思い出したくもない出来事。しかし落ち着いて当時を振り返ってみると、予選突破は確実と周囲も自分たちも信じきっており、試合に向けた真剣さが欠けていたかもしれないと感じています。どんなに確実性が高くても、サッカーで言えばホイッスルが鳴るまでは安心できないな、だからこそ慎重に事を運ばなければいけない、勝負で勝つ確率が高かったとしても慎重に事を進める必要性を学びました。
意識すべきポイントとしては、起こった出来事から、素直に感じた内容、そして自分で考えて学んだ点までが、聞いていておかしくない流れになっているかどうか。おかしくない流れをストーリーといいます。繰り返しですが、奇抜な答えを求める必要はありません。出来事から最終的に何を学んでいるかが重要です。
- 働く人の立場で考える
まず考えなければいけないのは、どんな企業のどんな採用担当者も「忙しい」現実です。どれだけ一生懸命エントリーシートを書いたとしても、十分に時間をかけて読んでもらえると思ってはいけません。ここで言う「働く人の立場で考える」とは、- 文章はできるだけ短く書く(長く書いてしまうと主語、述語が不明確になるので、1文が一行以上になったら「短くできないか」を考える。
- 無意味な言葉は使わない
自分で文章を書いてみて次の言葉を使っていたらできるだけ削除してみる
「こと」「という」:削除する
「ではない」「ならない」:使わずに別の表現で書く
「…が」:…。しかしと、言い換える - 必ず推敲する
「推敲」とは自分で書いた文章の読み返し。声に出して読み上げてみると、うまく言えなかったり、つっかえたりした部分が不自然な箇所。自分がスムースに話せるような文章こそ、読みやすい文章です
- 簡潔に分かりやすく書く
上記3つが実現できていれば簡潔にわかりやすい文章になるはずです。
- これら4つのポイントは、必死に悩まないと出てこない。こういった訓練を一般的な学生は行っていないから、どんな学生であってもかなり苦労する。苦労して当たり前です。答えは自分の中にしかない。ここを徹底的に自分と闘って突き詰められるかどうかで、自分が入りたい会社、したい仕事につけるかどうかが決まる。