無念さで眠れませんでした

私たちの会社には、調達・購買部門の方々から面談の連絡をいただきます。私たちは東京にオフィスがあります。ですので、たとえば大阪の企業だとしたら、「近くに来たら寄ってくださいよ」だとか「東京に行きますね」といった会話が生じます。普通のやり取りです。

しかし、たまに「すぐに来い」「面談してやる。仕事になる可能性があるんだぞ」といった感じの方がいます(たぶん、そういうひとはこの文章を読んでいないでしょうが)。

昔のことです。実際に行くと、案の定、予定時間からしばらく待たされました。そして、お越しになったのですが、謝罪もなく、こちらの名前を間違えていました。それは研修の依頼だったのですが、最後に「だから、こちらの希望ができるか、できないかを知りたいんだよっ!」といわれました。この会社は、取引先に日々どのように接しているのでしょか。

私も、当時はそれでも提案書を出していたのですが、私たちの会社には決まりませんでした。変な話ですが、ほっとしたことを覚えています。ただ、それでも、いろいろと考えて眠れませんでした。大人になるとは、泣かないことではなく、眠れない夜を過ごすことなんだと思います。

きっと、その会社は取引先への訴求性も残っていないでしょう。私は、当時から、さまざまな連載を抱えていました。失礼な固有名詞を書かれる危険性を考えなかったのでしょうか。もちろん、そんなことは書きませんけどね。念のためにいいますと、このような事例はほとんどありません。この数年は紳士的で常識的な方ばかりです。

それにしても、私は「会社が表面でいっていることと、社員の行動に矛盾はないか」を注意したほうがいいと思います。これもだいぶ前ですが「取引先と共創する社会」といった内容で講演を依頼されたことがありました。条件が決まったあとに、「あれもやってくれ、これもやってくれ。でも、費用は1円たりともアップしない。いやなら、違う人に依頼する」といったメールが届きました。「取引先と共創する社会」といった会社がですよ。

読者のみなさんも、きっと、あまりにも失礼な、そして傲慢な方々に傷ついているに違いありません。こちらは傷ついている。でも、傷つけたほうは、きっといまごろパフェでも食っていますよ。

どうしたらいいでしょうか。答えはありません。でも、一人のおかしなひとがいても、多くの方々と、より調達・購買部門のレベルアップを目指していきたいと思います。応援をお願いします、とはいいません。でも、真面目な人間が最後は生き残ると信じて、一緒にがんばりましょう。いや、本気で。

(今回の文章は坂口孝則が担当しました)

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