ロボットは調達業務を変えるのか

「なんで、こんなにくだらない仕事をしているんだろう」

おそらく、こう思ったひとは相当数に登るはずです。決まりきった仕事を繰り返していると、どうしてもバカらしくなてしまうものです。私もずっと悩んでいました。そこで、なぜ「くだらない」と考えるかというと、そこに創造性の入る余地がないと気づきます。難しかったり、発想が必要であったりすれば、「くだらない仕事」とは思わないはずです。

判断が誰にでもできたり、繰り返し作業が多いからこそ、「くだらない仕事」なのでしょう。若き私は、エクセルを自動で作業できると知り、そのためにVBAを学びました。VBAとは、マイクロソフトのオフィスで動くプログラミング言語で、真剣になれば数日で学習できます。その後、オフィスのソフト間でデータをやりとりするためにはOLEを学びました。なお私は経済学部出身で経済思想を学んでいましたので、いわゆる理系ではありません。

そして、機械学習がさかんになった際、「これも一度、自分でやってみたほうがいいだろう」と思いました。AI関連の書籍を買い込んで、プログラミングをテストしました。その過程で、できることも、限界も理解しました。AIは過去のデータがあれば、そこから未来を予想できます。また、意思決定もできるようになるでしょう。

次にRPAが登場しました。これはロボティック・プロセス・オートメーションの略です。難しく考えないでください。ロボットを使って、業務を効率化することです。ロボットとは、パソコン上で自動的に動いてくれるアシスタントを想像すればいいでしょう。つまり、あなたがやってほしいことを命令すれば、そのロボットは作業を実施してくれます(正確にはRPAとRDAがあり、後者はロボティック・デスクトップ・オートメーションの略で前者とは異なりますが、趣旨ではないので、同一に論じます)。

そのRPAでは、たとえば「サプライヤの見積書が複数あったとして、その総額を比較する」とか「エクセルの特定箇所を、違うシステムに入力する」といった作業が自動化します。機械に教えるとは、すなわち、人間の判断基準が明確ということです。業務のフローチャートを作成できる分野であれば、それは可能です。

その先進性を感じましたので、さっそくレポートにまとめました。ぜひご覧ください。

『調達業務における RPA(業務自動化)の可能性について』

調達業務における RPA(業務自動化)の可能性について

・決まりきったことをやっている
・判断基準が明確

調達・購買業務のうち、上記の二つにあてはまる場合は、相当な業務改善が期待できそうです。「なんで、こんなにくだらない仕事をしているんだろう」と思うくらいならば、さっさとRPAを習得してロボットにでもやらせればいい。そして、早く本質的な仕事に特化しろ、というわけです。嘆く前に、なんらかの学習を。テクノロジーが進化しているのに、調達・購買部員が変わらないのはもったいない。

RPAもさっそくやってみましょう。「くだらない仕事」をしないためにも。

(今回の文章は坂口孝則が担当しました)

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