調達戦略書が発表翌日にゴミ箱に行く理由

調達戦略書について、ずっと不思議でした。というのも、ほとんどが、書類のための書類なのです。多くは部長報告のあとにゴミ箱に捨てられます。というのも、切迫感がないのです。だから、作成書類のための書類として扱われ、その後に捨てられます。

調達戦略として重要な要件はなんでしょうか? おそらく、私は「組織にしっくりくる定義をする」と思います。抽象的です。でも、重要です。というのも、調達戦略とは何か、自ら定義していない企業が多すぎます。たとえば、私が凄いな、と思った組織では、「調達戦略とは、たくらみのことだ」と定義していました、あるいは「調達戦略とは、いたずらのことである」と定義していました。

すごくないですか? たしかに、いたずら、というくらい大胆に定義しなければなりません。。だって、いたずらくらいでなければ、周囲は誰も止めませんし、止めるくらいの施策でなければ意味がありませんものね。それに、調達戦略は現状追認の場合が多く、それを大胆にする際に、どうしても過激なものにせざるをえません。

誰かが作った調達戦略など不要なばかりか、有害ですらあります。ほら、そこにも、どっかのコンサル会社が作った調達戦略が、そののちに現場のひとを苦しめているではありませんか。やはり自ら考え、改善の意思に立脚したものでなければ意味がないでしょう。

たとえば、そのあとに、戦略のPDCAが重要です。でも、このPDCAってわかりにくい。とくに、計画して、行って、確認して、アクション(A)して、のとくに「A」が不明です。Aって、Cとどう違うのかがまったくわからないのです。そこで私は、アクションではなく、アジャストメント、のAと考えれば良いと考えています。施策を変える。または、施策の指標が定量的でなければ、定量的になるように、指標自体をアジャストメントする……こう考えれば、PDCAが明確ではないでしょうか。

そういえば、戦略で、もっともくだらないのは「何が戦略で、何が戦術か」といった類の話です。私は、この話になった際には、「そらあ。勝手に決めろ」と答えています。そんな厳密な定義よりも、行動を促す行為がもっと重要だと思うこのごろです。厳密な定義はビジネス書オタクか、あるいは学者に任せればじゅうぶんです。

実行なき戦略には実効が伴わないのです。

(今回の文章は坂口孝則が担当しました)

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