調達人員が受けた恐るべき接待事例
企業の調達人員が接待を受けることはいけないことでしょうか。それはガバメント、法律、倫理などからさまざまな答えが可能でしょう。ジョークですが、80年代の日本企業の接待交際費と、米国の企業間訴訟費用は同じ額でした。つまり、日本企業は馴れ合いを作り上げる高度戦略で、争いを回避した側面もあります。
たとえば、サプライヤ選定時に接待を受けると、選定に変化が出るかもしれません。ただ、一回だけの仕事のお疲れ会はどうでしょうか。これは今後のサプライヤ選定にはつながりません。しかし、細かな内容を議論してもしかたがありません。さまざまな場合はありうるので、接待を原則禁止、全面禁止にする企業は多いと思われます。
さて、実態はどうなのでしょうか。私が以前、実施したアンケートがあります。「あたなが受けた最高の接待はなんですか」。もちろん、対象は調達・購買関係者です。実は、アンケート結果をまとめて回答者に報告しようと思ったのですが、あまりにグロすぎて公開できませんでした。
内容は、大きく「高級クラブ」「高級料亭」「ゴルフ」「女」というもので、面白いのに「手料理」がありました。この結果に私は驚きました。いや、「高級クラブ」「高級料亭」「ゴルフ」くらいはあると思うのですが、きょうび「女」という接待があるのかと(この意味は説明するのも下品なのでご想像ください)。
そのいっぽうで、「手料理」がありました。これは、いきなり、営業部長の自宅に連れて行かれて、手料理をふるまってもらった、というものです。しかも、あまりに料理が上手くてびっくりしたのだとか! これなら粋な接待ともいえましょう。とくに外国人を接待するときは、小さなバーとか、料理屋とかが逆にいいんですよね。
また接待禁止といいながら、接待を受けない、という社内ルールはあるものの、接待をしない、という社内ルールがない企業ばかりなんですよね。おそらく、そう書いたらロビー活動ができないからでしょうけれど。それにしても面白いと私は思います。
ところで、2014年のアンケートでちょっと奇妙に感じたことがあります。凄い接待の内容と、仕事の大きさは、さほど相関関係にありませんでした。つまり、その担当者の調達額と、接待の金額予想額は相関をもたない、ということです。これは通常であれば、やや考えにくいでしょう。しかし、もしかしたら、そのバイヤーの将来に賭ける側面もあるかもしれません。
この接待については、深掘りしようと思います。