『マネージャーの仕事は、部下を、他人のせいにしないように育てることだ。ほとんど、それだけで人材育成は完了したといえる。』
多くの人間が「他人のせいにしたい」病に罹患している。ひとは、失敗したときに「社会のせいだ」といってしまえば、すべてがそのとおりである。殺人を犯しても「いまの時代が悪い」といってしまえば、どこまでも他人に責任を転嫁できる。逆にいえば、マネージャーの仕事は、部下に自責(自分にすべての責任があると)感情を抱かせることである。それだけで 99%の仕事は完了する。なぜならば、部下が「自分の責任ですべてをまっとうしよう」と考えれば、自動的に組織はうまくまわりだすからである。
ほとんどの部下は、残念ながら、受け身で、指示待ちで、なんの改善もなそうとしない。ときに「こんな仕事は興味が無い」とか「こんな仕事を私はすべきではない」とまでいってしまう。その多くが、希望の仕事にたとえ就いたとしても三流の業績しか上げられない人間であるにもかかわらず、である。
しかし、マネージャーはそのような甘ったれた感情を否定してはいけない。むしろ、そのような甘ったれた気持ちを持つ部下をいかに管理するかを考えねばならない。そして、課長になって意識するのではない。優秀な部員は、部下を持つ前から意識すべきなのである。