『調達は学問ではない。同時に勘や度胸に頼るものでもない。調達は企業存続かけた闘いなのである。』
調達活動とは「市場での闘い」である。
この基本的なことが忘れられ、企業内部でこまごまとした管理をすることが調達部員の仕事であると勘違いしている人間が多い。世に言われる管理・マネジメントとは、この誤解から発したものがほとんどである。闘いであるから、なによりもまずやるべきは市場調査であり、サプライヤ開拓であり、既存サプライヤと汗と血を流しながら商品開発を行うことだ。
部員やマネージャーは、誤解に惑わされることなく、正しい仕事への認識を持つ必要がある。
とくに「管理」とか「企画」とつく場合は危険である。管理とか企画の 名前がつくだけで、付加価値のつかない仕事に従業する場合が多い。綺麗事では調達は解決しないし、綺麗事に従業するべきではない。調達は学問ではない。もちろんかといって、勘や経験・度胸にのみ頼るものではない。調達は企業存続をかけた闘いであるから、高度に洗練された戦略をもち、そして常にその戦略を見直しつづける覚悟を持つ必要があるのである。