『サプライヤ工場視察とは問題点指摘目的のみではない。むしろ、目的は関係性の 向上にあるのだ。』
営業の基本で、「客先に足しげく通う」がある。これは、新規の売り込み機会を増やすためだと勘違いしている営業がいる。これは勘違いである。客先に行く理由は、顧客を確保しているためである。自分が知らないあいだに、相見積もりが他社に出てしまうケースを避けるのである。
調達・購買部員が行くサプライヤ工場視察はどうであろうか。これについても、問題があったときにのみ行く調達・購買関係者が多すぎる。あるいは、何かの仔細な問題点を、さも大問題かのように大騒ぎして伝える工場監査などである。しかし、調達・購買担当者が考えるべきは、工場視察とはサプライヤとの関係性向上のために積極的に利用すべきことだ。この発想がなければいけない。
サプライヤ工場とは、客先バイヤーが訪問して真剣に見つめるほど品質が上がるものである。これは非科学的なことではない。ほんとうである。そして品質が上がれば、コストは下がる。この当たり前のサイクルが回りはじめる。
机に座って利益を生むのはニワトリくらいである。調達・購買関係者はつねに工場にいくべきである。