『意見を押し付けるのが問題ではない。意見を押し付けられ、そのくせに愚痴をいうのが問題である。』
多くの調達・購買担当者は去勢されている。だから、社内関係者の意見にほとんど反対できない。そして社内関係者の要求が切実なものだから、調達・購買担当者は社内の言いなりになるのである。調達・購買担当者は縁の下の力持ちといいながら、実際は、その程度の地位に甘んじている。
そこで、社内のシステムが悪いとか、調達・購買のトップが悪いだとか、あるいはそもそも調達・購買部門など要らないだとか、当の調達・購買部員が吐露してしまう。しかし、そうではなく、悪いのは調達・購買部員である。たしかに、一見すると、自分の意見を押し付ける社内関係者が悪者のように見える。ただし、彼や彼女は自分の信条に基づき発言しているのである。その真摯さは認めるべきである。
むしろ、非難すべきは「意見を持つ人」に押し負け、そのくせに影で不平不満を述べるだけの「弱い人たち」である。調達・購買担当者はこの「弱い人」になってはいけない。それは弱者だからではなく、情けない人たちだからである。情けない人たちは、同情を得ることはできる。しかし、新たな道を創ることはできないのである。